第7話 念動力

 思うことで、物体に影響を及ぼす力とか言えばいいのだろうか?

 有体に言えば、目の前のリンゴを手を振れずに動かせる人、あるいは力ということだろう。

 某漫画では、この力を映像化して見せ、人気を博している。

 スゴイ発想だと思うし、私自身も、この漫画は大好きです。


 どうだろう?

 誰しも試したことはないだろうか?

 例えばTVのリモコンを座ったままで手元へ引き寄せたい…とか。


 念動力という言葉、あるいは現象を知っているから試したのか?

 もし、そんなことを知らなければ試さなかったのだろうか?


 濡れたグラスがテーブルを滑る。

 熱い味噌汁の御椀がテーブルを滑る。

 風も無いのに窓ガラスが震える。


 それは科学的な現象だと、小学生でも知っている。

 化学だからだ。


 でも知らなければ?

 高周波で窓がガタガタと揺れるという現象を知らなければ、それは不思議な現象ではないのだろうか。


 例えば、思いと現象が一致したら?

 自分には、そういう力があるのだと思い込んでしまうのでは?


 あの時は出来たのに…昔は出来たのに…

 自称超能力者の言葉を聞いた覚えはないだろうか?


 知識の欠落が超能力を産むのだ。

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