第35話 おっぱい対決!?
俺は今、危機的状況の朝を迎えていた。
顔には、左右からぷよよんとした、柔らかい弾力の胸が押し付けられて、感触が頬に伝わってくる。
勿論その正体は、クラスメイトで初恋の女の子原麗華こと渡良瀬歩と、元AV女優で俺の婚約者候補渡良瀬歩こと広瀬智亜である。
どうしてこんな状況になってしまったかというと、昨日の夜までさかのぼる。
藤堂さんと広瀬さんの口喧嘩は、収集が付かなくなったので、タイミングがいいところで俺が仲裁に入り、何とかおさめることに成功したのだが…
藤堂さんは終電の時間がなくなってしまい。仕方がなく俺の家に泊まることが確定したのだ。そうしたら、今度は広瀬さんが納得いかないといったように駄々をこね初めて・・・結果として俺は両手に花・・・じゃなくて。両手に腕を引っ張られながら自室のベッドに押し倒されて、そのまま眠りに半ば強制的につかされたのである。
というか、ほとんど寝れなかった。
藤堂さんのスヤスヤと可愛らしい寝息が聞こえてくるし、広瀬さんのエッロい色気ムンムンの寝息が聞こえてくるし…
どちらも寝がえりを打ったかと思えば、今度は再び俺の方を向いて俺の顔を自分の胸に押しつけてくるわで…寝てる間にもバトルは続き、今に至る。
ってか、藤堂さんの胸はすげーふわふわで柔らかいし、広瀬さんの胸は破壊力抜群の感触だし、右を見ても左を見ても天国…じゃなくて!
とりあえず、このカオスな状況からどうにかして脱したい。そんな気持ちしか今の俺には沸かなかった。
すると、ガチャリと部屋の扉が開かれる。
ってあれ?この展開、前にもどこかで見たような…
「はぁ…全くあなたたちは」
呆れたような様子で赤縁眼鏡にスーツ姿の岩城さんが俺たちのだらしない姿を見ていた。
「青谷君あなたはいったい何人の女の子をたぶらかしたら気が済むの?」
「いや、そう言われましても…」
「全く・・・私の今までの教育が悪かったのでしょうか?」
岩城さんが悲しい表情で落ち込んでいた。
「いや、岩城さんは悪くないです」
いつも凛々しい岩城さんに、そんな表情されたら、そう言うしかないじゃん…
「まあ、とにかくです。今日はしっかりと勉強しますから、覚悟しておいてくださいね」
そう言い残して、岩城さんは部屋から退出していってしまった。
それとほぼ同時に、元凶の二人が目を覚ました。
「んん・・・天馬くん~」
広瀬さんはさらにムギュっと日本中のオカズになっているその胸を押し付けてきた。
「んん・・・ん?」
一方の藤堂さんは可愛い声を出しながら、身体をゆさゆさと動かした。
その間にも、藤堂さんのふよんとした柔らかい胸が俺の頬をこする。
「ん?えっ!?」
ようやく自分の状況に気が付いた藤堂さんが驚いたように身体を俺から離して起き上がった。
あぁ…もうちょっと藤堂さんの胸の感触を味わっていたかったのに…というのは心に秘めておいて。
「お、おはよう藤堂さん…」
「なっなっ・・・」
藤堂さんの顔がみるみるうちに赤くなっていく。
そりゃそうだろう、こんな状況。普通はあり得ないからなぁ…
「何してんの!!」
ついに爆発した藤堂さんが慌てて俺の顔…ではなく、俺の顔に押し付けられていた国宝と言っても過言ではない広瀬さんの胸を押しのけた。
「あぁ…」
思わず残念そうな声を出してしまう。そりゃね、最高級の胸の感触が無くなったら、こっちだって残念ですよ。
「んん?」
ようやく目を覚ました広瀬さんは、眠そうに目をこすりながらこちらを見つめる。
「青谷君から離れなさい!この淫乱巨乳マシン!」
「あらぁ?それは褒め言葉かしら?初心なビッチもどきJKさん?」
「なっ、こいつ…」
「ストップ!!」
俺は二人の間に入り仲裁する。起きて早々喧嘩とか、神経が擦り減るからマジでやめて。
「こうなったら、天馬くんに決めてもらいましょうか」
「上等じゃないの」
あれ?なんか嫌な雰囲気が…
二人が鋭い視線で俺を睨みつけてくる。怖いんですけど…
「こうなったら、お互い自信のある胸で勝負しようじゃない」
「いいわ、望むところよ。悪いけど、あんたみたいに何人もの獣に使われてきた胸なんて勝負にならないだろうけど」
「言ってくれるじゃない。これでも私、AV界では『国宝ののおっぱい』と呼ばれていたのよ?」
あ、本当にそう呼ばれてたんだ。
「何が国宝のおっぱいよ、使いまわされてただの垂れおっぱいになってるだけでしょ?」
「垂れてないし!そんなに年いってないし!」
「私のはまだ誰にも使われてない天然ものなの。ピチピチなの!」
まるで子供のような喧嘩を繰り広げる二人。俺はもう、仲裁する気力すら失っていた。
すると、俺を誘い込むような視線を広瀬さんが向けて近づいてくる。
「さ、天馬くん沢山味わって?♪」
「あ、こら!」
俺は藤堂さんと広瀬さんに頭を掴まれて、そのまま二人のクッションのように柔らかい胸の中に顔を埋めた。こうして始まったおっぱい対決、俺はなすがままに心地よい海のような感触に浸るのだった。
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