出逢い

@aoyama0330

第1話

今、さくらは45歳、人生の半分は生きた。その半生を振り返る。

さくらは小さな田舎に産まれた、幼少期は大人しく体も周りの子達より小さく気も弱かった為、いじめられることもしばしあった、さくらには兄がいたが兄は我が家では初孫で祖父母にも母にも大層かわいがられていた、私はどちらかといえば女に生まれた為溺愛されるほどではなかった。どこかで家族からの愛情に違和感を抱いていた。

そう思いながら小、中、高校を過ごしていた。高校に入ってすぐ同級生だった男の子から初めて告白というものを経験した。彼は高校にもいっていない、俗に言うヤンキーだった。早いのか遅いのかはわからないが私は初めて彼とSEXの経験をした。何より私を1番必要としてくれる事が嬉しかった。

しかし彼はその愛情が故に私を束縛するようになり少しでも男子と話しているのを見つかれば私に蹴るなどの少しDV的な行為をするようになった。そんな中私は彼と別れたい気持ちとそこまで愛してくれる気持ちに揺らぎ始めた。なぜなら私だけを見ていてくれるからだ。DVの怖さもあり別れたいとはいつからか言えなくなっていた、多分幼少期からの気の弱さもあったのだろう。

そんな私は高校を卒業し美容師になるため大阪へ就職する事になる、これは母親が美容院を自宅で経営していた為、いわゆる修行に出されたのだ、たいした夢も持てなかった私には反対する理由もなく、決められるがままに大阪行きを承諾した。何よりあの家から出たかった、それが一番の理由だったかもしれない。

私は大阪から会社の辞令で兵庫県の神戸市の店に配属された。

この配属が私の人生を変えていくとはその時はまだ知るよしもなかった。

そう、2人の男性に出会う事を…。

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