第7話~演舞大会~
宿に戻ったレミアはリヴァイアを説得する為、カカラとやよいちゃんを呼び赤龍道場で会った事を話3人で説得を始めた。
「だから私は出ないったら出ない」
何を言っても同じ答えしかしないリヴァイアにカカラが
「何で出たくないの?」
「人間となるべく接したくない・・それだけだ」
そのやり取りを見ていたやよいちゃんが
「十分接してと思うし、リヴァイアが出ないなら私が出ちゃおうかしら、参加資格に人間じゃなきゃ駄目って書いてないし」
「それだけは絶対に駄目」
レミアとカカラが同時に言うとやよいちゃんが
「何でさ、正々堂々と男とイチャイチャ出来るのに」
3人が揉めているとリヴァイアがため息をつきながら
「2つ条件がある・・」
揉めていた3人はぴったと話を止めレミアが
「条件?出るなら何でもいいよ、それで条件って?」
「・・魔力を・・少し分けて欲しい・・最近分かったんだが魔力が足りないのか魔法が使えない・・こないだも津波魔法も効果無かったし」
(実は前回津波魔法は効果を発揮していたが、魔力足らずの魔法効果は十数km離れた一番近い海岸に10cm程度の津波が来ていたがリヴァイアはそれを知らなかった)
「バケツの水くらいは操作できるけど・・それじゃ海竜として恥ずかし過ぎる・・それと
「それと?」
3人が同時に言うとリヴァイアは少し俯き小さな声で
「海に行きたい・・」
「へ?う、海?」
レミアがそう言うとリヴァイアは真赤な顔を上げ
「そうだ、最近お肌がカサカサで我慢ならん!」
リヴァイアがそう言うとやよいちゃんが思い出したかの様に。
「それで夜な夜な1人で塩水飲んでたのか、気持ちは分かるはーお肌はケアーしないと直ぐにカサカサになっちゃうから」
リヴァイアは冷静にボソッと
「やよいちゃんは元からカサカサじゃない?」
そう言われたやよいちゃんは怒りながら。
「何を言ってるの、現状を維持するだけでも大変なのに」
と言う事で魔力は開放後のカカラから貰い、海は演舞大会後に行く事になった。
翌日、レミアはリヴァイアの演舞大会エントリーをしセキエンにその事を伝え例の件の再確認をした。
「そうか、リヴァイアが出場する気になったか、では演舞の結果に関係なく服は渡そう」
「セキエンさん約束ですよ]
レミアがそう言うとセキエンは含み笑いをしながら
「決勝が楽しみだな」
「決勝ってリヴァイアがそこまで行けるか分かりませんよ」
レミアがそう言うとセキエンは立ち上がり。
「リヴァイアに赤龍のエンが決勝で待っていると伝えてくれ」
宿に戻ったレミアはリヴァイアにセキエンの事を伝えると。
「赤龍のエンが待ってる?・・あ!思い出した」
「リヴァイアはセキエンと知り合いだったとか?」
レミアがそう言うとあまり感情を出さないリヴァイアが怒りに震えた声で。
「あいつのせいで・・わたしは・・勇者に討伐された」
「え!」
レミアが驚いているとリヴァイアが勇者に討伐された時の話をした。
「あいつが勇者に追い駆けられ私のテリトリーで海水が干上がるほどの高熱の魔法をつかったんだ、当然私は何事かと見に行くと勘違いした勇者達が「赤龍が仲間を呼んだぞ」って、そのまま良く分からないまま戦闘状態になって、勇者達の増援もあって2竜とも討伐された・・その後はレミアの知ってる通りだ」
話が終わるとレミアが。
「リヴァイアさんって不幸だね」
「何で今まで気づかなかったんだ・・あいつのせいでわたしは・・レミア!バケツを買い直すぞ」
リヴァイアはそう言うと演舞大会に用意した小さなバケツ1個から大きなバケツ2個を買い直した。
演舞大会当日、やる気満々のリヴァイアは初戦から2つのバケツを武器に決勝まで水鉄砲を使い全て「押し出し」で勝利した。
一方のセキエンも得意の炎と拳で決勝まで勝ちあがって来た。
決勝戦前にセキエンが挨拶に来たがリヴァイアはセキエンを睨むだけで何も話さなかった。
演舞大会 決勝 リヴァイアVSセキエン
前回の優勝者を準決勝で破ったリヴァイアと赤龍道場の師範セキエンが会場に現れると歓声が上がった。
「少し痩せたんじゃないかリヴァイア?」
セキエンが挑発するとリヴァイアが肩を震わせながらゆっくりと口を開いた。
「お前のせいで酷い目にあったんだぞ、見ろお肌がカサカサになったじゃないか」
そう言うとリヴァイアは太ももを出し観客からはリヴァイアのサービスに更に大きな歓声が上がった。
「だからあの時に謝ったじゃないか、まさかリヴァイアサンのお前さんがいるとは思っていなかったし」
「言い訳無用、この場で借りを返してやる・・いや復讐の時間だ・・」
リヴァイアが言い終わると決勝戦開始の鐘がなった。
リヴァイアはバケツの水を体に纏いセキエンの炎対策をした。
セキエンは拳に得意の炎を灯し接近戦を仕掛けてきた。
セキエンの攻撃をリヴァイアは水の盾を作り受け流し水鉄砲で応戦をした。
少しすると応援席にいたカカラが気づいた
「リヴァイアの水が少しずつ蒸発して減ってきてる」
当然リヴァイアも気づいていたが用意していた水はバケツ2杯分しかなかった。
それからもセキエンの攻撃を受け続け用意した水がほぼ無くなり掛けた時にセキエンが攻撃を止めてリヴァイアから距離を取りながら。
「無限と有限ではハンデがありすぎじゃな」
セキエンはそう言うと地面に拳を振り落とし、するとそこから勢いよく水が噴出した。
「これでハンデ無しじゃ」
セキエンは構えを直しながら言うとリヴァイアが噴出した水を大量に呼び寄せながら。
「これで終わりにしようか、赤龍のエン」
リヴァイアは津波の魔法を唱えると大量の水がセキエンに襲い掛かった。
「リヴァイアサン最強の魔法か・・受けてやる」
セキエンはそう言うと向かってきた津波に向かって距離を詰めて、両足を踏ん張り両手を開いて津波その物を受け止めてしまった。
「津波自体を受け止めるなんて非常識にもほどが・・」
リヴァイアが驚いているとセキエンはニヤっとしながら津波を押し戻しながらリヴァイアにジリジリと近づいて来た。
「弱っていてこの威力・・全快ならやばかったかもしれないな」
セキエンはそう言うと足に力を入れ気合1発で津波を消し去り霧状にすると、その勢いでリヴァイアに急接近し2人が霧に包まれ、その霧が晴れると観客席から歓声と悲鳴が上がった。
「ん?何だこの柔らかい感触は?」
セキエンが両手の先を見ると、リヴァイアの両胸を鷲掴みしていて、まさかの出来事にリヴァイアは動く事が出来なかった。
そしてそれを見たやよいちゃんが嬉しそうに。
「セキエンって大胆ねぇーあのリヴァイアったら赤面してるわよ」
そして次の瞬間に赤面リヴァイアの平手がセキエンの顔面を捉えセキエンは吹き飛んだ。
「この変態がぁ!」
荒い息で片手で胸を隠しながらリヴァイアは叫んだ。
(これがまさに竜の逆鱗に触れた瞬間であった)
セキエンは平手打ちで場外まで飛ばされ鼻から血を流しながら立ち上がりリヴァイアに親指を立てると。
「良い平手打ちだったぞ」
そう言いながら地面に崩れ落ちた。
「勝者リヴァイア 決まり手は 張倒し」
そう審判からアナウンスがあると観客席から大歓声が上がった。
「押し出しに張倒しって・・相撲かよ」とレミアとカカラは心でリヴァイアに突っ込んだ。
後日、レミア、カカラ、やよいちゃんの3人だけでセキエンに会いに行き。
「御免なさいセキエンさんリヴァイアは変態には会いたくないって言ってて」
レミアが申し訳無さそうに言うとセキエンが氷袋を頬に当てながら。
「あれは事故だ、わざとじゃない、信じてくれー」
「あら、本当かしら?なかなか鷲掴みって出来ない行為よ」
やよいちゃんが嬉しそうに突っ込んだ。
そして左の頬が超腫上がったセキエンから2番目のマジックアイテム「可愛い服」をレミアは貰った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます