第5話~魔王のマジックアイテム~

100年間引き篭もっていた世間知らずのデーモン「レミア」


最上位魔法までこなせるナイスバディのダークエルフの封印された魔女「カカラ」


魔界のオカマスナック「ニッチョメのママ」のイケ面大好きキングマミー「やよい」


勇者に討伐され弱った海竜リヴァイアサン、現在リハビリ中の「リヴァイア」



4人は勇者が領主になっている町の宿にいた。


「で、どうやって領主に会うんだ?」


カカラとリヴァイアがレミアに聞くとレミアは例の本を取り出し。


「勇者は町を救う事でその町の一番偉い人に会い、そしてマジックアイテムを貰ったらしい・・」


レミアがそう言うとカカラとリヴァイア顔を合わせ顔色変えずに同じ質問をした。


「で、どうやって領主に会うんだ?」


「だからー町をーって最後まで聞いてー」


レミアがプンプン怒りながら言うとやよいが。


「面倒だから私が誘惑しようか?そして夜のお供に・・フフ」


レミアはやよいちゃんを無視して話し始めた。


「こないだ行った冒険者ギルドの人が言ってた、領主に会いたければドラゴン退治やデーモン退治のレベル10クエストをやらないとって」


そうしてレミアが考えた作戦をみんなに話しそれを聞いたリヴァイアが。


「それで私とやよいでこの町を襲って、レミアとカカラが町を救うでいいのか?」


「リヴァイアはともかく何でやよいまで?」


やよいが突っ込むとレミアが


「ほら見た目が大きく変わる人じゃないとばれちゃうし」


それを聞いたカカラが手を上げて


「見た目なら私も変わるんだけど」


「3分じゃ・・」とリヴァイア


「ナイスバディだぞ」とカカラ


「そう言う問題じゃ・・」とレミア



こうして「町を襲って町を助けてお宝ゲット」作戦が始まった。



深夜、レミアとカカラは宿屋の屋上で待機していると町の外が騒がしくなり衛兵らしき声で。


「ド、ドラゴンだぁードラゴンが走って来たー」


レミアとカカラはそれを聞いて顔を合わせながら。


「よし予定通り・・ん?・・じゃない・・は?走って来た?」


少し間を置いてカカラが


「しまった・・リヴァイアは海竜だから飛べないのかも?」


レミアの描いた絵では空から飛来したドラゴンを操るキングマミーが町を襲うとなっていたがレミアとカカラは急いでリヴァイアが来る方向を見ると頭にやよいを乗せリヴァイアが土煙を上げながら全力で走って来た。


「やっぱり・・飛べないんだ」


ため息をつきながらレミアとカカラが同時に言った。


リヴァイアが町の兵士達を蹴散らし町に侵入するとやよいはリヴァイアから飛び降りいつもの様に男達を追い駆け回し始め・・そして叫んだ。


「悪いイケ面はいねぇーがぁー」


それを見たレミアは頭を掻きながら


「派手に暴れていいって言ったけどこれじゃ・・」


レミアに続いて何か閃いたカカラが眠たいドヤ顔で


「やよいの男祭りならぬ男血祭りだなこれは・・」


「カカラ・・座布団とか無いからね・・」


残されたリヴァイアは兵士からの痛くない攻撃を受けながら町を走り回り領主の家を見つけると。


「魔力がどれだけ残っているか・・少し試してみるか」


そう言うと津波の魔法を詠唱し発動したが・・何も起きなかった。


「おかしいな?ちゃんと魔力も消費したんだが・・もう一回やってみるか・・」


リヴァイアが2回目の詠唱を始めたところでここの領主である勇者が衛兵を連れて現れリヴァイアに攻撃を始め、そして数分もしないうちにリヴァイアはほぼ完封負け状態になりそれを見たレミアとカカラは「これはまずい」と急いで勇者に駆け寄り勝手に加勢すると伝えありったけの魔法をリヴァイアに叩き込みわざと土煙を上げ、予定以上のダメージにリヴァイアは堪らず逃げ出した。


勇者が兵士に追い駆けろと指示し兵士達がリヴァイアを追い駆けると勇者、レミア、カカラがその場に残されたところで


「イケ面はいねぇーがぁー」


とやる気満々のやよいちゃんが現れ勇者はレミアとカカラに下がる様に言うと剣を抜き新しい敵に構えやよいに突進し始めた。


「あら?勇者の好みなのかしら私ったら・・いいわよ相手をしてあげる」


やよいはそう言うといつもの様に包帯を走らせ勇者を拘束したが勇者は絡んだ包帯を切り落とすと更にやよいとの距離を詰めた。


「もう、そんなに急がなくても夜はこれからよ」


やよいはそう言うと今度は地面に仕込んだ包帯を勇者の足に絡ませ勇者を転倒させ、物凄い勢いで勇者に「愛のダイブ」をしてあっという間に包帯で自分と一緒に巨大な「一夜限りの愛の簀巻き」を完成させた。


レミアとカカラはもがき悲鳴を上げる勇者を数分放置した後に予定通り勇者を助けた。


「もうちょっと楽しませてくれてもいいのに・・いけず」


と言いながらも満足顔のやよいちゃんは退散して行った。



翌日、レミアとカカラは領主に呼ばれ助けた御礼と各町のギルドで使用できるレベル10を証明する登録証を領主を渡され、褒美には本当の事は言わずにコレクション収集しているのであのアイテムを譲って欲しいと言うと「そんな物でいいなら」と簡単に譲ってくれ領主が杖について説明をしてくれた。


「私が調べたところでは魔王から手に入れたこの杖は人間が持ってもただの杖で特に何かある凄い物ではなく、見た目は可愛いがただの飾りの杖でしかない」


そして、コレクションをしているならと別の所有者の詳細を教えてくれた。


説明を受けたレミアはお礼と杖について何か分かったらまた来ますと伝え家を後にした。


後日、レミア達は誰もいない場所で可愛い杖を使用するとレミアだけに反応してレミアの魔力が倍程度まで上がった。


「これが魔王の杖の力・・凄い」


全員が試しに使用した結果


「要するにデーモン専門の杖なんじゃない?」


と言う答えに全員で辿りついた。


レミアは無事に1つ目の魔王になる為のマジックアイテムを手に入れ残りは4つとなり次のアイテムを取り戻す為に別の国に移動した。。


《おまけ》


時間を遡ることリヴァイアが津波魔法を唱えた直後に十数km離れた一番近い海岸に10cm程度の津波が観測されたとさ・・ちゃんちゃん(笑)。


「そんなに私は弱っているのかーーー」とリヴァイア

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