第5話 プロローグ 五

 「さて、私の方から、この契約の条件、『veto(ベトー)』への参加についての、説明をさせて頂きます。」

老紳士の説明を聞きながら、竜雄は契約書に、目を通した。

「あの、私、難しいことはよく分からないので、説明して頂けますか…?」

「かしこまりました。もちろん、あなた、丸川様にとっては初めてのことですので、分からないことも多いかと思います。質問があれば、遠慮なくなさってください。」

老紳士はそう言い、契約書を見ながら説明を加えた。

 「あなたにしてもらうことは、簡単です。私たちが主催している公営ギャンブル、『veto』へ、参加してもらうことです。」

「ギャ、ギャンブルですか…。」

その老紳士の言葉に、竜雄は少し、たじろいだ。

「はい。

 契約書の2枚目には、その、vetoのルールが、記載されています。」

竜雄は、その言葉を受け、契約書をめくった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る