第5話 魔法なにそれ美味しいの?

 俺はこの世界の魔法について女神に聞くことにした。


 おい女神、この世界で俺は魔法を使えるのか?


 『無理ですよ所詮凡人なんですから(笑)ラノベ主人公じゃないんですよ、チートはおろか魔法は使えませんよ』


 俺魔法使えねえのかよ。どうやってモンスターと戦うんだよ。おい女神もう一度聞くぞ、俺は本当に魔法は使えねえんだな?


 『はい、当たり前です』


 絶望の声に俺は心折れる。ふざけるなあああああ。異世界転生して魔法使えないって終わってるだろ。


 せめてラノベ主人公のようにチートじゃなくても魔法ぐらい使わせてくれ。


 『魔法がダメなら武器を扱えばいいじゃないですか』


 なにそのパンがなければケーキを食べればいいじゃない的なノリ。武器なんて扱えるわけねえだろ。ついこの間まで中学生だったんですが。


 「ローザは魔法使えるのか?」


 「はい一応は使えます。御主人様の為に誠心誠意頑張らさせて貰います」


 やっぱり使えるのか、もしかしてこの世界で魔法使えないの俺だけとか。だったら最悪だろ。何がラックスキル999だ。ラッキーどころか人生アンラッキーだよ。


 「御主人様はやめてくれないかな。ナイトでいいよ」


 「しかし御主人様を呼び捨てなんて厚かましいというか何というか」


 「いやいや大丈夫だから。せめてさん付けで」


 ローザは困ったような顔をしていたが、やがて小声で俺を名前で呼んでくれた。


 「ナイト様宜しくお願いします」


 様はつくんだな。まあローザが呼びやすい呼び名で呼ばしてやろう。ローザを困らせたくないしな。


 『キラキラネームに様って(笑)』


 お前は黙ってろ。お前のせいで折角の感動が台無しだわ。お前女神失格だわ。悪魔だわお前。


 『駄女神ですか』


 パクるな、どこぞの人気ラノベを。怒られたらどうする気だ。


 さてさて魔法はなにそれ美味しいの? だが、この世界を思う存分冒険しよう。レッツゴー。


 先ずは武器を手に入れよう。武器屋に行ってみようではないか。


 女神武器屋の場所を教えろ。


 『えー防具屋とかどうですか? 今流行りの盾とか』


 だからパクるな。前世の人気ラノベパクったら駄目。しかも俺勇者じゃねーし、凡人だし。


 『仕方ないですね。武器屋は二本先の道を左折してすぐ右側ですよ。ナイトさん(笑)に扱えるといいですね』


 こうして俺は女神に罵られながら異世界を冒険していくのである。目的もなく。


 「さあ武器屋に行こうローザ」


 「はいナイトさん」

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