ささいな変化
勝利だギューちゃん
第1話
隣に女の子が住んでいる。
幼馴染の女の子だ。
両親は、そろって転勤した。
よって、1人暮らし。
表向きは・・・
その子の生活の面倒は、両親が見ている。
もちろん、女の子の両親に嘆願されたからだ。
俺の両親は、二つ返事で承諾した。
つまり女の子は、寝る時意外は、俺の家にいる。
「・・・ちゃん、お早う」
「おじさん、おばさん、お早うございます」
「いつも、礼儀正しいわね」
「いえいえ、そんなこと・・・」
ありがちなやりとりが聞える。
ここまでなら、よくある展開だ。
そして違うのは、「朝だぞ、起きろ」と、その女の子が起こしにこないところだ。
ていうか、程んど同居状態なのに、顔を合わさない。
タメ年だが、学校は違う。
共に電車通学だが、方向が違う。
「さてと、そろそろ起きるか」
俺は着替えをして、一階に下りた。
「やあ、てっちゃん、久しぶりだね」
女の子が手を振る。
「ああ、しばらく」
俺は、ぶっきらぼうに返事をする。
「それだけ?」
「何が?」
「久しぶりに会うんだよ」
「うん」
「もっとあるでしょ?」
「何がだ?」
女の子は、不機嫌になる。
「『奇麗になったね』とか」
「うん」
「『相変わらずかわいいね』とか」
「うん」
「あるでしょ?いっぱい」
「わかったよ。」
もう面倒くさいが仕方ない。
「久しぶりに会えて、光栄です。プリンセス」
「よきにはからえ」
女の子は、笑う。
「てっちゃん」
「何?」
俺は朝食を頬張りながら、返事をした。
「気付いてないの?」
「何が?」
「何がって・・・」
ふぅ、仕方がない。
「髪、切ったね」
「うん」
「ピアスつけたんだ」
「うん」
「少し、痩せたね」
「うん」
「制服変わったね」
「うん」
俺は、最後に会った時の、その事違うところを述べた。
全て正解だ。
「でうして、わかるの?」
「そりゃ、好きな子の変化くらいわかるよ。まあやちゃん」
つい、口に出てしまったが、もう遅い。
「その言葉、待ってたよ」
「待たせてすまない」
「それと最後に・・・」
【今日から、てっちゃんと同じ高校だから】
ささいな変化 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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