第12話

 敬三はおじいさんの話しを固唾を飲んで聞き入っていた。


 「そ、それでその後おじいさんはどうなったの・・」


敬三が言うとおじいさんはコーヒーカップを静かに手にとりそっと飲んだ。


 「その後、わしは疲れはてもう死を覚悟しそのまま目を静かに閉じたんじゃ。そして、幾分時間が経ったろうか、わしの耳元で声が聞こえてきたんじゃ、わしはすでに死んであの世にいて、きっと地獄の餓鬼にでも誘われてるのだろうと思い、来るならこい!とそのままわしは目を閉じて体も動かさず、その声を聞いていた。」

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