第3話

「へー、お爺さんのその懐中時計にそんな歴史があったんだ。それでそのガダルカナル島での戦いでお爺さんはどうやって生き残ったの?」


敬三もコーヒーを飲みながらお爺さんの話の続きを興味深々に聞いた。


 「あの戦いでわしらの部隊は転戦につぐ転戦でぼろぼろになりながら、ひたすら米軍から逃げるためにジャングルの中を敗走してたんじゃ、食べる物もなく、銃弾も一発もなく、あるのは錆びついて役に立たない銃剣だけじゃった。


 ある日の夜、そうその日は激しい雨が降り、視界もほとんど見えなく、疲弊しきったわしらは小隊長の指示の下、その場に急遽、雨風を凌ぐための大きな葉っぱを集め、それを木々に乗せてその夜を過ごそうとした時の話しなんじゃがな。」

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