いつまでも

勝利だギューちゃん

第1話

今、俺は墓前にいる。


「久しぶりだね」

「ああ」

「元気そうだね」

「病気なら、来ない」

「確かに・・・」


お墓の前で、手を合わせる。

墓前に、紅茶を置いた。


「覚えていてくれたんだ。私の好きな物」

「そりぁあな」

「相変わらず、つれないなあ」

「何をいまさら・・・」


憎まれ口を言い合う。

昔の、まんまだ。


この墓の下には、今俺の、彼女だった女の子が眠っている。

人の命はあっけない。

ふいに、逝ってしまった。


「だったって、過去形にしないでくれる?」

「どうして?」

「私は今でも、あなたの彼女なんだから」

「すまない」

確かにそうだ・・・

実体は滅んでも、魂は滅ばない。


俺には、霊が見える。

この能力は、先祖代々受け継がれている。


こんな能力を隠し通せるはずもなく、そして、世間がほっておくはずもなし。

いつしか俺は、悪用され、そして、飽きると怖がられ離れて行った。


そんな中で、唯一残ってくれてたのが、今は墓の下で眠っている彼女だった。

でも、霊と話せる俺は、魂だけとなった彼女と、会話ができる。


「大変だったよね」

「ああ、死神だとか、悪魔だとか、散々だったよ」

「ごめんね」

「なぜ、謝る?」

「だって、私がいなければ・・・」

とても、悲しそうな表情を浮かべる。


「お前のおかげで、俺は助けられた。むしろ、感謝している」

「そう言ってもらうと、嬉しいわ」

「いや、本当の事だ」


この能力のおかげで、俺は確信した。

【生きている人間が一番怖い。】


関わらないのが吉だが、そういうわけにもいかないのが、辛いところだ。


「じゃあ、そろそろ行くわ」

「ねえ」

「どうした?」

「私、久しぶりにあなたの家に行きたい」

俺は、歩きだした。


「何をしている?置いていくぞ」

「待ってよ」


しばらくは、霊となった彼女と、生活することとなる。


「いつまでいていい?」

「好きなだけいてくれ」

「うん、そうする」


しばらくして、俺は遺体で発見される事となるが、

後悔はなかった・・・

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いつまでも 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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