うちの母様 ～天然街道爆走中～

ＧW……それは〝ゴールデンなウェーブ〟を起こす母様の技名

　ＧWに入る少し前。週配達のカタログを見ながら、母様と話をしていました。

　時々、

『連休中にやっておくこと』

　が間に入ってきます。

「まるちゃん（作者の愛称）、これどう？」

「新しょうが安いですね」

「佃煮美味しいのよね」

「美味しいですけど、調理が大変じゃないですか？」

「でも買いたいの」

「わかりました。一袋（１kg）買いますけど、お疲れなんですから無理はしないでくださいね」

　後でまとめてパソコンから入力するため、メモを取ります。

「野菜の苗を植えたいの。いつ頃がいい？」

「えーと……暦上では、３日が良い日ですね」

「３日ね。あとは？」

「６日──」

「最終日はイヤよ」

「あ、はい。すみません。なら……４日あたりですかね」

「……じゃあ『３日』で、お父さんと相談しておくわ」

　我が家は１０連休の人がいないので、予定を擦り合わせて動きます。

「竜田あげ買っておいたほうが良いかしら」

「帰ってくるかもしれないですからね」

　弟が。

「大きいの（袋）がいい？」

「念のために」

　メモメモ。

　✽✽✽

　連休前の激務で、母様の回線はどこかで絡まったようです。

「まるちゃん」

「何か欲しいの（商品）ありました？」

「フルーツポンタ食べる？」

　思わず想像してしまいましたよ。

　色とりどりのフルーツの間から顔を出すタヌキ（弟）を。

「……いえ、いらないです」

「嫌い？」

「いや、あの……ポンタ（弟の愛称）は食べたくないです」

「ポンちゃん食べるの？」

「母様が『フルーツポンタ』って言ったんですよ。思わず、フルーツの間から〝にゅっ〟と出てくるのを想像して……」

「やだまるちゃん。あんまり美味しそうじゃないわ」

「『あんまり』じゃないです。全然ですよ」

　ころころと笑う母様は可愛いんですけどね。

　私はいらない想像力を使って、MP（メンタルポイント）が残り少なくなりました。

　しばらくフルーツポンチは見ないことにします。

　そして５月３日の今日。

「昨日、良い苗が買えたから」

　と、ふたりで畑に行っております。

　美味しい野菜が採れますように。