第65話/Name
第65話/Name
「どうだい、見えるかな?」
「ああ、もう少しでピントが……よし、見えたぞ」
俺たちは今、古びた廃ビルの薄暗い一室にいた。隠れ家からほど近いこの建物は、のぞき見をするのにうってつけだ。そして俺は、リルが道中の骨董屋で見つけた望遠鏡を覗き込んでいた。ちなみに費用は黒蜜持ちだ(俺は怒り狂う黒蜜をなだめるために、ありとあらゆる優しい言葉を動員する羽目になった)。
「で、どうっすか?特に変わりはないなら……」
「……いや、様子が変だ。警官か?制服の連中が大勢いる……」
覗き込んだレンズの中には、警察官の姿と、立ち入り禁止の黄色いテープが何本も見えた。
そして、隠れ家に続くマンホールは……跡形もなく、吹き飛んでいた。
「な……!」
「……どうやら、戻らなくて正解だったみたいだね」
警官がぐるりと取り囲む一帯は、真っ黒に焼け焦げていた。マンホールを中心にアスファルトがえぐれ、ひび割れている。
「爆発……でもあったってのか?」
「センパイ、ウチにも見せてください」
俺は茫然と黒蜜に望遠鏡を手渡した。
「ん~……パッと見はそうっすね。警備が多いっすから、まだ日は浅いんじゃないすか」
「どうやら、そこはもう隠れ家とは言えなさそうだ。敵に目を付けられてるようだね」
「そんな……キリーたちは……?」
「だから言ったじゃないすか。ここ最近、女の子の不審死は聞いてないって。きっと逃げおおせてますよ」
「あ、ああ。そうだな、そうだった」
キリーたちなら、きっとうまいこと切り抜けてるだろう。用心深いウィローに、注意深いステリアも付いてる。
「だとすると、いよいよプレジョンにはいなさそうだな」
「そうだね。これだけ派手にやられて、のこのこ残っていたら問題だよ」
「てことは、結局パコロ行きっすね。うまくプレジョンを抜けられてれば、そこに戻ってるでしょうし」
「いや、きっとうまくやってるさ。俺たちもパコロに向かおう」
「ああ」
「わかりました」
パコロ。なんだか懐かしい響きだ。ずっとプレジョン(こっち)にいたから、あの港町が夢の中のように揺らいでみえた。ずっとプレジョン(こっち)にいたから、あの港町が夢の中のように揺らいでみえた。
「……けど、また汽車っすか。はぁ……」
「あれ、黒蜜は汽車ダメだったか?」
「ダメというか……あれすっごく揺れるから、お尻が痛くなるんすよ」
「ふむ……思うに、黒蜜君はお尻が薄すぎるんじゃないかい?ほら」
「ギャー!なんであんたたちは、事あるごとに人のお尻をつかむんすか!」
揺れる車窓からは、すっ飛んでいく街の灯りが走馬灯のように見えた。
「ラッキーだったっすね。これ、最終便らしいっすよ」
黒蜜はシートに背中を預けると、うーんと伸びをした。
「汽車なんて、何年ぶりかな。ずいぶん様変わりしたんだね」
逆にリルは背中を浮かせて、興味深そうに辺りを見回している。
「何年ぶりって……あなた、いったい何年収監されてたんすか。ていうか、詳しく聞いてなかったっすけど、あなた何者なんすか?」
「おや、そういえばそうだったね。ちょうどいい、ユキ。紹介してくれないか」
「え、俺か?えーと……」
俺は少し考えると、隣に座る黒蜜を指差した。
「リル、こちら黒蜜・木ノ下。知ってると思うが警官で、俺の妹だ」
「……どうも」
「こんな感じだが、根はいい子だ。仲良くしてやってくれ」
「ははは、了解だ」
「ちょっと!余計なこと言わないでください!」
「で、黒蜜。こちらリル。留置場のなかで知り合って、話を聞いてみたらステリアの師匠だったんだ。経歴は……俺もよく知らない」
「というわけだよ。私が何者かというのは、おいおい語らせておくれ。とても一晩じゃ語りきれないからね」
「……よく、こんな人を信用しようと思いましたね」
「まぁ、利害の一致というか……時々、変なやつとは思うけど」
「失礼な兄妹だな」
その後もぽつぽつ、会話があったりなかったりして車中の時間は流れた。だが疲れもあったのだろう、黒蜜はいつの間にか、こっくりこっくり船を漕いでいた。
「ふあぁ……」
そうは言っても俺も眠い。ムショでのデタラメな生活リズムが抜けきっていないな。
と、ついに黒蜜の限界が来たようだ。ぽて、と俺の肩に頭が寄りかかってきた。
「微笑ましい光景だな」
向かい側でリルがニヤニヤ笑っている。
「よせよ。きみだって疲れてるんじゃないのか?」
「うん、だがこう見えてもかなり興奮していてね。眠気がどこかに行ってるんだ」
「そ、そうなのか?」
「シャバの空気をまた吸えるとは思ってなかったからね。ユキには感謝してるんだよ?」
「いや、さっきも言ったけど、俺にも利があったからな。恩を着せるつもりはないさ」
「ふふふ、いいね。ステリアが君を気に入ったのが分かる気がするよ」
「そうか?」
タタン……タタン……
一定のリズムで、車輪がレールを叩く。車内はオレンジ色のランプで、ぼんやり柔らかく照らされていた。
「そういえば、檻の中にいた時、なにか聞きたがっていなかったかい?」
「うん?」
「ほら、君とはじめて話したときだよ。会話の途中で、君は連れていかれてしまった」
「ああ、あの時か」
確かリルから、昔のことを聞いていたんだっけ。
「あ、じゃあ一つ聞いていいか?」
「なにかな」
「先代のことを話してくれないか。実は俺、メイダロッカの先代組長のことをほとんど知らないんだ。リルは仲が良かったんだろ?」
「構わないが……おかしいな。私に聞くよか、本人と直接話した方が早くないかい」
「……それができたら、良かったんだけどな」
「……そうか。だいぶ老齢だったものな。彼とは、良き友人だった……」
リルはしばらくの間、目を閉じていた。
「……彼は、珍しいものや変わったものに目がなかったんだ」
リルの話はゆっくりと始まった。
ダンダンダンダン!
けたたましい音で目が覚める。
「リル、いるか!」
なんだなんだ、朝っぱらから人を叩き起こして……
私はシャッターをガラガラ開けると、ふうとため息をついた。
「……相変わらずダミ声だな、貴方は」
「なんだと!この渋さがわからないってのか」
そこにいたのは、歳の割りには体格のいい、よく日に焼けた老人だった。
短く刈り込まれた白髪には一筋の傷痕が走り、それが頭の左半分をぐるっと回っている。
「それでなんの用だい、アオギリ。しばらく遠出するとか言ってなかったか?」
「だーら、その名で呼ぶなと言っておるだろうが!ワシはミ・ヴィダ・ロッカだ!」
そう言って、目の前のじいさん……もとい、アオギリ・レイセン老人はびしっと自分を指さした。
「……呼びにくいんだよ、そのミダルカーとかいうの」
「ミ!ヴィダ!ロッカだ!」
「わかったわかった、それでアオギリ、早く用を言ってくれないか」
「……お前さん、ほんっとに意地悪よな。男にモテんだろ?」
「それじゃあ。私は眠いんだ」
「わーまてまてまて!本題はこっからだ!」
アオギリ老はまるで子どものように慌てて、シャッターの中に身を滑り込ませた。
「いや実はな、ワシと子育てしてみんか?」
「は?」
ドン引きした。気持ち的にも物理的も。
「……悪いが、他を当たってくれ。枯れの趣味はないんだ」
「ん?ああー、違うちがう!そういう意味じゃない!」
アオギリは手も首もぶんぶん振った。本当か……?
「自分の孫でもおかしくない歳の娘に、俺の子を産んでくれだなんて、逮捕されてもおかしくないぞ?」
「ワシの子!ワシの子育てを、一緒に手伝ってくれんかと言いたかったんじゃ」
「……貴方に子どもなんていないだろう。どこかでこさえてしまったのかい?その歳にもなって、節操の欠片もないな……」
「だー!ちがわい!こいつを拾ったんだよ!」
そう言ってアオギリがひょいと抱えあげたのは、明るい赤茶色の髪に、空色の瞳をした、小さな女の子だった。
いきなり突き出されて、女の子はびくっと顔をひきつらせる。
「ひっ」
「……この子は?」
「拾った」
「……猫の子じゃあるまいし」
「猫どころか、人間がほいほい落ちてるのがこの街だろ」
「それは……そうだな」
私が、今の同居人であるあの子と出会ったのもこの街だ。
「拾ったからには、責任を取らんとな。今日からコイツは、ワシの娘だ」
「本人の了承はとったのかい?君、このお爺さんが君のお父さんになりたいそうなんだけど、いいのかな?」
幼女は私の言葉を呑み込んでいるのか、しばらく宙を見つめた後に言った。
「やだ」
「なんだと!このクソガキーー!」
「ギャーーー!」
放りあげられた幼女が宙を舞う。手足をジタバタさせる幼女を見て、アオギリはガハハハと実に楽しそうだ。性悪以外の何物でもないな。
「老人、そのくらいにしないか。大人げないにも限度があるだろう」
「わっはっは、そうか?」
「まったく……」
私は目をグルグル回す幼女に顔を近づけた。
「君。残念だが、今の君にはこのお爺さんの娘になるほか、生きる道はなさそうだ。拾われたってことは、行く当てはないんだろう?」
「それは……」
「そうだ。そいつの肉親はいない。今はそいつ一人きりだよ」
アオギリがわきから口を挟む。なんともぶっきらぼうな口ぶりだった。
「まぁ、このアオギリ老はこんなんだが、悪人ではないことは保証するよ。君を売り飛ばしたり、不埒なことに使おうとする人じゃあない」
「……おい、それは褒めてるのか?貶してるのか?」
「何言ってるんだ。これ以上ない賛辞だよ」
私たちが言い合っていると、幼女は小さな声で呟いた。
「……おじちゃんは、いいひとなの?」
「む、なかなかいい所を突いてくるね」
この幼女は、私がアオギリを“悪い人じゃない”と言ったことに気付いたのだろうか。だとしたらかなりのキレ者だな。
「さて、どう言ったものか……」
「おい、小僧。ワシはいい人間ではないぞ」
口ごもる私をよそに、アオギリはきっぱりと言い切った。ていうか女の子は小僧とは呼ばない。
「いいひとじゃないの?」
「ああ。それどころか、ワシは世間的に見たら悪人だ。悪者だ。犯罪者だ」
言葉を重ねるアオギリに対して、幼女はどんどん顔をこわばらせていく。
「だがな。さっきリルが言ったように、ワシはお前さんをどうこうするつもりはない。実の娘として、精一杯お前さんを守ってやる」
「……それなのに、わるいひとなの?」
「ああ。だが、悪人が人助けしないとも限らないし、罪人が世界を救うことだってあるかもしれん。善悪なんてものは、しょせん曖昧なモノなんだよ。結局のところ、自分で見極めるしかないんだ」
ああ、またいつものだ……アオギリはこの手の話題になると、見境なく熱くなるからいけない。
「こら、アオギリ。幼女に話すにしては難解過ぎだ。見ろ、混乱してるじゃないか」
「ん?ああ……」
幼女はわけのわからないことを話されて、おろおろしていた。
しようがないな、まったく。
「いいかい、君。さっきの話をかみ砕くとだね、このお爺さんがいい人か悪い人かは、自分の目で決めるしかないってことなんだよ。君に悪さはしないってのが嘘かもしれないし、実はとってもいい人かもしれない」
幼女はなんとか、私の話を呑み込んだようだ。
「いいか、わるいかは、わからないの?」
「そうだ。大事なのは、彼を信じるか、信じないか。今君が決めなければいけないのは、それだ」
可哀想に。私は目の前の幼女を、早くも人生の岐路に立たせてしまった。これじゃ人のことを性悪なんて言えないな、まったく。
「……」
幼女は、うつむいて自分の服の裾をぎゅっと握っている。その後ろで、アオギリがじっと幼女のつむじのあたりを見つめていた。
長い沈黙の後、幼女はおもむろに顔を上げて言った。
「……わかった。しんじる」
「っ!お、おお!そうか!」
アオギリの声は興奮のあまりうわずっている。彼はああ見えて小心なところがあるからな。きっと内心断られないかドキドキだったのだろう。
「よしよし!そんならお前は今日からワシの娘だ!がっははははは!」
「だったら、この子も今日からアオギリ姓になるのかい?ややこしいな」
「バーカ、そんなダサい苗字くれてやるか。こいつにはミ・ヴィダ・ロッカを名乗らせるに決まっとる」
「おいおい、そっちのほうが可哀想だろう……だいたい、どこからが氏なんだ」
「ああ?そりゃお前……ミ?」
「はぁ~~~……」
私が大きなため息をつくと、幼女は物珍しそうに近寄って来た。
「わたしのなまえをきめてるの?」
「うん?ああいや、名前ではなくて……ああ、そういえば君は、なんて名前なんだい?」
「わかんない」
「え?」
「……記憶が混乱しとるようなんだ。自分のこと、親族のこと、何一つ分からんらしい」
「そうなのか。なら氏のほかに、名前も必要だな。そこも案はあるのかい?」
「まぁ、一応、な」
「ほう。それは?」
「……ワシの名前からとろうと思って」
「ええ……名前もミダなんとかかい?それはちょっと……」
「ちがわい!キリー!アオギリからとってキリーだ!」
「キリー……」
ネーミングセンスはともかく、ミダルカーよりは呼びやすい名前だ。
だが……くくく。さっきあれほどアオギリ姓をダサいのなんのと言っていたのに、やっぱり愛着があるんだな。
「キリーって、わたしのなまえ?」
「そう。君がよければ、今日から君はキリーとして生きていくことになる」
「……キリーって、どういういみ?」
「え。そりゃ難しいな……」
アオギリを見ると、首を振って手を上げた。
(お前に任せる)
無責任だな、まったく。私はしゃがみこみ、幼女の目をまっすぐ見つめた。
「いいかい。キリーっていうのは、アオギリ老からとった名前だ。その意味としては、愛情とか、優しさとか、君を絶対守るみたいな、そういう願いが込められているんだよ」
「やさしさ……」
「そうさ。名前はその人の魂そのものだからね。それを分け与えるということは、その人を自分の半身のように大事に思っていることの表れなんだよ」
っと、最後は理屈っぽかったかな。だが幼女は自分なりに咀嚼したのか、うんうんとうなずいている。
「……うん。わかった、それにする」
「……!おお、そうか!よっしゃ、なら今日からお前はキリーだ!」
「それじゃ、氏が例のやつかい?」
「そうだ。よく聞けキリー。お前の名前は、キリー・ミ・ヴィダ・ロッカだぞ」
「み?」
「ミ・ヴィダ・ロッカ!」
「び?」
「みいぃぃぃ!ぶぅいぃぃぃ……」
「よせって、難しすぎるよ……いいかいキリー。君のフルネームは、キリー・メイダロッカだ。これなら言いやすいだろう?」
「おい!何勝手に……」
「めいだろっか!いいやすい!」
「……」
「だとさ。どうする?」
「だーくそ、わかったよ!キリー、好きに呼べ!どうせお前にくれた名前だ」
「うん。そうする」
「それなら、貴方の事務所の名前も変えたらどうだい。この辺一帯で、きちんと名前を言える人は片手でも余るほどだと思うよ」
「くそ、どいつもこいつも……だがまぁ、自分ちに自分の名前の表札がかかってる方がいいか」
「それなら、今日からはメイダロッカ組ってわけだ」
「不本意だがな。おいキリー、ついてこい。事務所に案内してやる」
「じむしょ?」
「今日からお前が暮らす、家みたいなもんだ。じゃあなリル、わしはキリーに事務所を見せてくる。また来るわ」
「いや、もう来なくても……」
言うが早いか、アオギリはキリーを抱えてドカドカと出ていってしまった。
「……ほんと、嵐みたいな人だ」
これからしばらく、にぎやかになりそうだな。
ふとその時、感じる何かの視線。
そろりと振り向くと、そこには透き通るような青い瞳が双つ、こちらをじとーっと見つめていた。
「……その後だよ。あの子、ステリアに怒られたのは。名前の意味の話を聞いていたんだろうな。私があの子を大事に思っていない、と不安がらせてしまったんだ」
リルはそこまで語り終えると、ふぅと小さく息を吐いた。
「こんなところかな。この時初めて、私はキリー出会ったし、“キリー・メイダロッカ”が生まれたのもこの時さ」
そんなことが……
アオギリ・レイセン組長。メイダロッカの先代であり、キリーの名付け親。
そして気になったのが、その名前。どことなく、日本人(俺と同じ)のような響きだ……どことなく、日本人(俺と同じ)のような響きだ……
「……なあ、先代はどこから来たかって、知ってるか?」
「うん?あれ、そういえば……知らないな。まぁけど、あの町はそんなのがごろごろいたから、あまり気にしてなかったよ」
「そうか……」
出生不明、懐かしい響きの名前。どことなく俺に共通点があるが……まさか、な。
「それでその後、リルはいつまでみんなと一緒にいたんだ?」
「確か……一、二年ほどだったと思うよ。だから私は、キリー以降に加わった組員とは面識がないんだ。ていうか、あれから人って増えたのかい?まさか君とキリーだけなんてことは……」
「いや、ちゃんといるよ。今は、ステリアも入れれば六人の大所帯さ」
「六人は大所帯なのかな……けど、そうか。やっぱりステリアも組に入ったんだね」
「どちらかというと、なし崩し的に組員としてカウントされてるって感じだけどな」
「いや、あの子が一人じゃないならいいんだ。あの子は賢く、優しい子だが、ぶっきらぼうなところがあったから。キリーとは幼馴染みたいなものだし、きっと馬があうんだろう」
「そうだな。仲は良いみたいだぞ」
「ならなにより。それに、キリーも心配だったんだ。組員が君一人だとさ」
「え?なんでだよ」
「なんでって、子どもの頃から、あの子は可愛い顔立ちをしていたからね。今もそうだろう?」
「まぁ……整ってるのは否定しないが……」
「うら若い美少女と、若さを持て余す青年が、一つ屋根の下。間違いがあっちゃまずいだろう?」
「ねえよ!そんなもん!キリーをそういう目で見たこともないよ」
「へえ。ところで、あの子の寝るときにズボンをはかない癖、もう直ったのかい?」
「あ、昔っからなのか。あれ困るんだよな」
「目のやり場に?」
「そうそう……ってあイタ!」
ぎゅう~~~。
何かが俺の腿をつねっている。
「ぐうぐう」
「いたたた!おい黒蜜、お前起きてるだろ!」
「寝てますよ。寝ながらスケベなセンパイを罰しているんです」
「ま、君も男の子だからね。しょうがないとは思うが、節度は守らないと」
「理不尽だ……」
俺は節操なしの烙印を押されたまま、車中を揺られることとなってしまった。
はは……笑えない。
つづく
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