夜中のハイテンション 【リーマン組】

「吉田さん、吉田さん」

「はいなんですか」

「進んでますか」

「やばいですいろいろ」

「もう俺らしかここいないんじゃないですか」

「え。・・・え。え、まじで?え、もう11時?うわ、やば、まだ入力がもう少し」

「石井部長どこ行ったんすか」

「さっき帰った」

「まじすか!」

「いてもどうせ何もできないし。そっちは」

「加藤部長なんかとっくに。いつも早いから」

「ないわー」

「ないわー・・・で、出来そうなんすか」

「出来るかっつか、やらなきゃ帰れん」

「だよなー」

「そっちは」

「おんなじような感じかな」


50分後

「吉田さん」

「んー?」

「俺らさ、働き過ぎで死ぬんじゃね?」

「あー、死ぬ死ぬ。絶好調で速攻早死にする」

「もう墓買っとかないと」

「確かに」

「前に休みの日にさ、」

「うん」

「アマゾンで検索したらさ、」

「うん」

「棺桶売ってたわ」

「マジか」

「紙製折りたたみ式とかで超安い」

「か・・み・・」

「いや笑ってる場合じゃなくて。要るんじゃね?俺ら」

「要る。速攻要る」

「どれくらい?」

「令和入るまで」

「マジすか!もう時間ないじゃん」

「ない。カウントダウン入ってんもん」

「え?もう買っとく?」

「うん。二人分」

「ふたり」

「予約で」

「よ・・・」

「ちょ、なにウケて」

「つ、ツボった。苦し」

「二人分、予約な」

「・・・ん、二人分。・・・あー、笑い過ぎて涙出た」

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