EP14 夏の魔法

したたるのはけたアイスか、全身からつたあせか?



それらはポタポタと地面にれて、アスファルトを水玉模様みずたまもように変えてゆく。




炎天下えんてんか油断ゆだんならない。



器用きようにアイスを頬張ほおばる。



あごを動かす事さえ億劫おっくうになり何もかもががれる。



動く気力も、思考しこうも、食欲も。



ベンチに座ったまま動かない。



ただただアイスを頬張ほおばる。



ほっするのはうるおいか、あまさか。



最後の一口ひとくち



「あ、当たった…」



一気にうれしい気分でたされる。



ぴょんと立ち上がり、スキップしながらお店へ。



こんな簡単かんたんな出来事で人は元気を取り戻すのだ。




うるさかった蝉時雨せみしぐれも今は祝福しゅくふくしてくれてるかのようだ。

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