椅子の気持ち
凛陰
椅子の気持ち
やぁ僕は椅子
最近僕は君たちを支えすぎて疲れてる
だけど僕に座るとみんな楽そう
それが嬉しくて
それが僕のやりがいでもある
これからもよろしくね
俺は椅子だ
毎回、毎回お前らはすぐに疲れたと言って俺に座る
それがとても嫌でたまらん
今すぐにでも生まれ変わりたいくらいだ
だけどよ
お前らが楽しく俺に座ってご飯を食べているのを見るとついつい嬉しくなってしまうんだ
そしてそれが俺さまのやりがいでもある
これからもよろしくな相棒!
私は椅子
でも私は捨てられた椅子
私に座った人は
一人もいなかった
毎日が暇だった
そんなある日
ある一人の青年が私を買ってくれた
しかし
私は次の日に捨てられた
どうやらとなりのおばさんが私より高級な椅子をあの青年にあげたようだった
そして私は燃やされることになった
辺りを見回すと私のような椅子がたくさんいた
しかしその椅子達は笑顔だ
とても笑顔だった
私はその椅子達になぜ笑顔なんだと聞いてみた
するとその椅子達はなにも言わず
涙を
ただひたすら涙を流してた
そして最後にこう言った
もう一度あの温かい我が家に帰りたい
と
私、そして椅子達も最後は笑顔で燃えていった
そして
灰となった
椅子の気持ち 凛陰 @ecoosme829
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