第7話

糠味噌に、生まれて初めて漬けた物が胡瓜で、その次は、家に少しあった人参だ。その後、つい最近だが茄子と蕪を漬けた。凄く美味しい!!人参はそこまで美味しいとは思わなかったが、茄子と蕪は凄く良いと思った! 特に茄子は、白い所がフニャフニャして柔らかくなって、かなり好き。アボカドの時と同じで、実が沈んだ感じで。そして最近では、糠を少し手に取り、それに少し水を付けて顔に優しく塗る。それをソッと、水で洗い流す。これ、顔に良いと以前どこかで聞いた事があるので、たまにやる様にしている。何か顔がツルツルになってる感はあるのだが…。洗い流した後はそのままの時と、一応乳液を塗る時がある。          余談だが、先日業務用スーパーで買い物をした。その時は蕪を買おうと思ったが無かったので、茄子だけを買い、翌日違うスーパーで蕪を買ったのだが…。とにかく、業務用スーパーヘ行った時は、前日家飲みをした。だから翌日は、酒がまだ体内に残っているからだろうが、いつもこうした日は一寸したミスや、忘れ物をしたりがよくある。だからだろうか、最初にダイソーで1800円程の買い物をしたのだが。それを自転車のカゴに入れたままスーパーヘ入ってしまった!普段なら必ず、自転車の前の所に付いているカゴの中の物は忘れずに、他の店に入る時には持って行くのだが。               だがこの日はそのままにして、色々と中を回りながら、スーパーのカゴの中に物を入れて行った。そして殆ど全て必要な物を入れてそろそろ終わる、と言う時になって、やっとダイソーで買った物の事を思い出した!   なのでスーパーの買い物カゴを床に置き、急いで自転車を見に行った。だが、ダイソーの大きなビニール袋は無くなっていた!アッ、やっぱり無い?最近はこうして無くなる事がよくあるらしいが。仕方無いから中に戻り、店員に聞いてみた。ダイソーのビニール袋の忘れ物はないかと。調べてくれたが無かった。店内にも、レジの所にも無いと。  あ〜あ、せっかく買ったのに。ガッカリしながらそのままカゴをレジヘ持って行き、お金を払った。そして買った物をもらい、それを幾つかの、貰ったビニール袋に入れていた時だ。隣にいた、やはり袋詰めをしていた老人男性が話しかけてきた。        「お姉さん、カッコイイね。」      驚いて横を向くと、70代位の、割と派手で若い格好をしたお爺さんがニコニコしている。そして又繰り返した。なので一応お礼を言った。               「ありがとうございます。」       それで、又話しかけてきたので、お互いに袋詰めをしながら一寸会話をした。それで、頭に来ていたので、先程の盗まれたダイソーの買い物袋の事を話した。        「もう、頭に来ちゃう!結構買っちゃったのに。」と。              「そんな悪い事する奴いるのー?」    びっくりしている。          「ねーっ?!酷いでしょう?」     「本当だなー。」            スーパーの目の前に留めてある自転車のカゴから、大きなビニール袋を出して持って行ったなんてと、呆れている様だ。      袋詰めが終わり、私はそれじゃあと言って外ヘ出た。そして自転車の所で、今買った物をカゴに入れて自転車の鍵を出していると、さっきのお爺さんが出てきて又声をかけた。 「一寸待ってよ!」           何だろう。              「あんた、大変だったね。」       そう言うとズボンのポケットから何枚かのお札を出した。そしてその中から2000円を引き抜くと、差し出した。        「はい、これあんたが取られた分ね。」 「エッ?」              「あんた、せっかく買ったのに取られてさー。大変じゃん。だから、これさっきの、その分ね。」               そうして、私にそのお金をくれると言う。私が、1800円程買ったのにと言ったので、同じ位の金額をくれると言う。悪いからと言うと、構わないし、一度出した物を引っ込めるのも嫌だと言う。私の事も、年よりも若いと思っている様だし、とにかく親切なとてもフレンドリーな方だ。それで私は有難く受け取った。物を盗まれて不愉快だった気持はこの老人のおかげで収まり、その嫌な一日が元に戻った!そしてこの日に買った茄子と、翌日に買った蕪はさっきお昼に食べた。段々暑くなってきてるこの時期には、冷たい糠漬けはやっぱり良い…。

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