第330話 秘密の部屋に眠る物

新作はじめました!


「嫌われ勇者に転生したので愛され勇者を目指します! ~すべての「ざまぁ」フラグをへし折って堅実に暮らしたい!~」


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コメディ色強めになっております!

読んでみてください!



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 魔人族のメディーナにより発見された地下迷宮の秘密の部屋。

 そこへ突入し、帝国の謎を解明するための特別チームが編成された。


 聖剣使いの村長トアをリーダーとし、冒険者として長きに渡り地下迷宮を旅するテレンス、大剣を振るう脳筋エルフのクラーラ、《大魔導士》のジョブを持つエステル、王虎族の長を務めるゼルエス、八極の《黒蛇》ことシャウナ――以上のメンツで挑む。


「なんだか濃いメンバーですわねぇ」

 

 呆れたような口調で言う地下迷宮の看板幽霊娘ことアイリーン。だが、


「じゃあ、逆に聞くけど――この要塞村の中で、濃くないメンバーを揃えることができると思う?」

「無理ですわね」


 トアの質問に即答するアイリーン。

 さすがは古株。

 要塞村のことをよく分かっている。


「しかし、地下迷宮に秘密の部屋があったなんて……」

「ワシも驚いている。メディーナがいなければ見つけられなかっただろうな」

「照れるであります!」


 人間をはじめとするこの世界のどの種族よりも魔力に敏感なメディーナは、わずかな魔力を感知してその場所を特定できたのだ。


 トアたちは完全武装し、念のため、地上に残ったローザをリーダーとする別動隊も待機。いつでも援護に回れるようにしてから地下迷宮へと潜った。


「ここへ来るのも久しぶりだな」


 最近は仕事が増えたため、地下迷宮の探索についてはテレンスに一任している。なので、トアがこうして地下迷宮へ来るのは久しぶりだった。


「私はマフレナと特訓がてらよく潜っているから、そこまで新鮮味はないわね」

「私も最近は地下古代遺跡にかかりきりだったからな」

「俺に至っては初体験だ」

「あれ? ゼルエスさん、地下迷宮に潜ったことなかったでしたっけ?」


 クラーラ、シャウナ、ゼルエス、エステル――実力のある者たちは物怖じなど欠片も感じさせず、スタスタと目的地まで歩いていく。

 やがて、目的地に到着すると、メディーナが確認のため再び魔力を探知する。


「……やっぱり、この先に部屋があるのは間違いないであります!」


 断言するメディーナ。

 それを受けて、クラーラは地下迷宮が崩落しないよう力をセーブして愛用の大剣を振るう。直撃を浴びた壁は一瞬にして吹き飛んだ。

 その先にあったのは、


「!? 本当だ! 部屋があるぞ!」


 メディーナの読み通り、そこには部屋があった。

 それも、想定していたより広い。


「どれ、早速中を調査してみるとするか」


 まずはシャウナが部屋へと入っていく。

 トラップなども考えられたが、シャウナならばどんなトラップを軽く弾き返しそうだと判断したトアはお任せすることに。

 シャウナが進み、安全を確保した後で、他のメンバーも秘密の部屋へと入っていく。


「やはり、ここでも何かを研究していたようだな」


 暗号で書かれた書類が大量に置かれたデスク。

 これらは持ち帰り、あとでフォルに解読してもらうことにした。


 さらに、部屋の奥でシャウナは不思議な物を発見する。


「! こ、これは……」


 部屋の奥は急に開けた空間となっており、そこには大きな水晶玉が専用の台の上に鎮座していた。


「ただの水晶ではないようだが……メディーナ、これが何か分かるか?」

「どれどれ?」


 シャウナはなんとなく近くにいたメディーナに尋ねる。だが、旧帝国の残した魔法道具を魔界出身のメディーナが知るわけがない。

 つまり、シャウナはちょっとからかうつもりでメディーナへ聞いたのだ。


「ああ、すまない。君は魔界出身だから――」

「これ、魔界で自分たちが使っている連絡用の魔道具ですね」

「……えっ?」


 サラッと答えたメディーナへ、その場にいた全員の視線が一斉に吸い寄せられる。


「じゃ、じゃあ、これを使えば魔界と連絡が取れるかもしれないってこと!?」


 トアの質問に、メディーナは腕を組んで眉をひそめた。


「うーん……それはやってみないことにはなんとも……」

「そ、それはそうか……じゃあ、これを持ち帰って、地上でやってみよう。ローザさんやフォルなら、何か知っているかもしれないし」

「それがよさそうだな」


 テレンスも同意してくれたところで、トアたちは早速この水晶玉を持ち帰ることにした。

 果たして、魔界との連絡はうまくいくのだろうか。

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