現役女子

エリー.ファー

現役女子

 俺らにとってさ、女の子っていうのは特別なわけ。

 だって、普通に考えて見ろよ、楽じゃん。どれだけ、愛されてるかとか、そういうのが全てじゃん。違うかな。それ以上のものはないだろ。

 どれだけ、見せびらかせる奴がいるかとかさ、そういうことじゃん。

 結婚だって、所詮、タイミングでしかないし、そういうものの積み重ねでしょ。

 そうだよね。

 そこに、なんていうか、勝手に愛とかさ、そういう心からの恋愛をしたことがないの、とかさ、そういうこと言われてもね。

 困るじゃん。

 ていうか。

 ウザくない。

 普通に。

 重いって、ほら。

 お前が振り向くかどうかを楽しんでたわけでさ、お前が本気になるかどうかとかは別な訳。そこは違うんだって。分かんないかなぁ。

 男ってそういうもんだから。

 でも、それでお前だって満足してたわけじゃん。

 お互い、楽しかったし、いい気になれたし、これで満足だろ。

 いいじゃん。

 奢って、話せて、で、他の友達にもお互いを使って自慢し合って。

 で、何。

 それで不満とかないだろ。

 ある訳ないよな。

 だって、それだけなんだから。

 そのためにこっちだって、一々時間かけてさ、デートしたり。

 お前の元カレに。

 これ、俺の女なんで、みたいな感じで勝ち誇りたいみたいなクソみたいな遊びに付き合ってやったじゃん。

 ここまで、俺にやらせて、それでまだ愛が足りないとか、クソキモいんだけど。

 いいから、そういうの。

 もう、終わったから。

 はい、おしまい。

 いいじゃん、これで。

 年収もお互い、それなりにあるし、学歴もあるし、それなりに美人とイケメンだし。

 いいだろ、ほら、なんていうんだっけ、これ。

 あぁ、美男美女みたいなことやれたんだし、いいだろ。

 お互いそれなりにそれっぽく振舞って、周りにちやほやされてもらって、妬まれて気持ち良かったのは事実じゃん。ほんとさ、あのバカで不細工のやつとか偶にいると、本当に、面倒臭かったよな。

 なんなの、あの、お前のストーカー。お前が何となく寂しかったからって作っておいたキープ要員だろ、あれが、俺のとこに怒鳴り込んできて、あれはマジで笑った。

 いやぁ、クソめんどくさかった。

 ていうか、あれ、てめぇがやったことなんだから、てめぇで処理しとけよ。なんで、こういう所で、てめぇが作った下らねぇ、男共にこっちが色々言われなきゃなんねぇんだよ。

 はぁ。

 本当に、正直、お前を彼女とかに格上げしねぇで、適当にやっときゃよかったわ。

 お前もそう思ってるだろ。

 はぁ、クソだりぃ。

 どうすんの。

 で。

 どうする、訳。

 これ。

 俺、知らねぇから。はぁ、てめぇのことだろうがよ。

 こっちがいいように扱ったんじゃなくて、てめぇがその上澄みで遊びつくして捨てたんだろうがよ。なんで、俺が処理すんだよ。

 お前が、欲しいっていうから用意しただけだっつうの。バカなんじゃねぇの。

 はぁ。

 何が。

 それで、家に上がる口実として成立させてあげて、やらせてあげたんだから、これどうにかしろって。

 やる訳ねぇだろ、てめぇでどうにかしろよ、こんなプードル。

 邪魔でしょうがねぇよ。

 セックス一回で、プードル払ってやったんだから、てめぇが殺すでも、保健所持ってくでもどうにかしろよ。知るかよ、バーカ。

 何してんだよ、てめぇ、叫んでんじゃねぇよ。

 死ねよ、クソ女。

 二度と連絡してくんじゃねぇ。

 死ねっ、クソ女っ、このクソボケがっ。

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