マジック・ワールド

こうめ

第1話 サンタさん

下水道でもそもそと盗んできた黒パンをたべる少年がいた。

少年―シルクはここで暮らしている。臭さはもうなれっこだ。

「そういやァ、明日はクリスマスか....何か盗んでこようかな。」

そういって立ち上がった時だ。

目のすみにきみょーなきみょーな動物がうつった。

じ―――。

シルクは疑いの目でそいつを見た。

「お前だれだよw」

シルクはふざけて言った。

「おれはサンタの使い手だ。」

そのきみょーな動物―――トナカイ男(?)が言った。

「まじで?お前ふざけてんの?」

シルクが吹いた。

「嘘だと思ったら、こっちへ来てみろ。」

シルクは外にでてきた。そのとたん―――シルクは目をみはった。

まわりは一面の銀世界。

そして、白ひげのおじちゃんがソリに乗って......

「あ、れ?」

シルクはサンタのトナカイとトナカイ男を見比べて、

「お前みたいなトナカイっていないな。」

と言った。

「俺はトナカイ男だからな。」

と、トナカイ男は言って、うつむいた。

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