弱いエッセイ、強いエッセイ

ケイキー

1 僕ほど弱い人も、そうそういるまいよ

いやぁ、人生って面白いなぁ、と思う。


世の中には、強い遺伝子を持って生まれてくる人もいれば、弱い遺伝子を持たざるをえない人もいる。


まあ、残念ながら、僕は後者なわけであるが。


本当に、僕の先祖はどうやってこの令和の時代まで子孫を残し続けられたのだろう、と思うぐらいである。


そんな僕は、HSPという特性を持っている。


HSPとは、highly sensitive personの頭文字をとったもので、直訳すると、「とても感受性の強い人」だろうか。


僕は専門家ではないので、多くは語れないし、詳しくはネットで調べるなりしてほしい。


ただ言えることは、感受性が強く、人とのコミュニケーションに自信が持てないので、どうしようもないほど劣等感にまみれている。


そんな僕が「人生って面白い」と言えるのは、圧倒的な諦めがあったからであり、また、同時に「本」という媒体に、無償の愛で支えられてきたからである。


何度、いろんな場で述べてきたかわからないが、僕ほど弱い人で、かつ、僕ほど本に救われてきた人はそうそういない。


まあ、広い世界を見渡せば、僕より弱い人も、僕より本を読んでいる人も、その両方を兼ね備えている人も、かなりの数がいるであろうが、それでも全体から見ればすごくちっぽけな数だろう。


だから、僕はこういう場で文章を書いている。


文章を書くのが好きな人たちが集まる場で、日常や雑踏の喧騒を忘れ、文章を書いている。


そうするだけで、僕は結構満足するのだ。


だから、言おう。


僕ほど弱い人はそうそういないが、僕ほど人生の辛さも素晴らしさも味わっている人もまた、そうそういないと。


いつか、この感情をうまく小説にできたらいいな、と思う。


僕が最も愛する、「物語」という形式で。



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