隣人たる君よ

僕にとっては「不安」はよく馴染んだ隣人で、今さら一つや二つ増えたところで気にもならない。

今すぐ死ぬだけの覚悟はないけれど、まあいつかは来るんだろうな、ってぼんやり考えている。


ドアをノックされたことのない人がいるんだ、って改めて驚く。

僕の家のドアなんて、毎日ノックとインターホンの音で賑やかだから、耳を塞ぐのは結構得意なんだ。


すきま風が寒いか?ラップ音で眠れないか?

わかるよ、終わりが見えないと家すら飛び出したくなるね。

とは言えそれも最初のうちだけで、いずれ慣れるよ。

気楽にいこうや。


どうしようもない天邪鬼だから、僕はこの後に及んで楽観的になっている。

天地がひっくり返るわけでもあるまいし、なんて訳知り顔で。

汝の隣人を愛せよ。

憎んでもそいつは立ち去らないものだ。

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