秘密

きゅどう

秘密




ふたりで秘密をつくった

ふしぎと罪悪感はなかった



煙まみれの居酒屋で

だれにも言えないアレコレと

発泡酒で乾杯した


乱れたスーツが行き交う繁華街で

冷たい手と火照った手を繋いで

体温を感じていた


あの甘い声も 髪の匂いも

その時だけはわたしのものだった


正直、あの人と比べた



ふたりで秘密をつくった

ふしぎと罪悪感はなかった

これからもまた秘密を増やすかもしれない

あの時には戻れないかもしれない


でも、それでいいや


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秘密 きゅどう @qdo

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