第24話 エリナの高校1年3学期

「ただいま~」


 エリナは元気良く挨拶して、研修所の庭に帰って来た。

 所長も職員達もビックリしていた。



「お帰りなさい……、エリナさん1人ですか?」


「は~い、お兄ちゃんは元気に異世界で生活してま~す。私は学校に行く為に先に帰って来ました~」



「悠里くんは、こちらへ帰るつもりが無いと言う事ですか?」


「いいえ、私の出席日数を心配して~、とりあえず私だけ、先に帰る事に成ったんですぅ」



「ふぅ、魔石と魔石インクは持って帰って来ましたか?」


「は~い、魔石は持って帰って来ました~」


 エリナは魔石を所長に渡した。



「これで魔道術式は書けそうですね。……あとエリナちゃんを鑑定させて貰っても良いですか?」


「はいどうぞ~」



「エリナちゃんを【鑑定】!」


 バチンッ!


「おやっ、弾かれましたね……私より大分レベルが高く成ってるようです。エリナさんのステータスを聞いても良いですか?」


「は~い」



 エリナ・シミズ Lv20

 職業 魔法少女 妹 高校生

 種族 人間

 HP999 MP999


「以上ですぅ」


「……すごい! 異世界転移門の魔道術式さえ有れば、何時いつでも異世界へ行ける魔力量だね!」



(所長をこっそり【鑑定】♪)


紺狩益太 Lv10

職業 研修所所長

種族 人間

HP30MP30


(あら、普通の人!)



「もう3学期が始まってるので、私は明日から学校に行きま~す。今度、私が異世界に行くのは春休みで~す」


「……そうなりますよねぇ。異世界転移門の魔道術式を書いて置きますから、今度は私も一緒に連れてって下さいね」


「は~い」






 エリナは家に帰って、恐る恐るドアを開けて家に入った。


 う~ん、まじ修羅場っ! 両親の説教の嵐が、吹き荒れましたぁ!


 スマホで撮った写真とビデオを見せて、お兄ちゃんの結婚報告をして、異世界転移を信じて貰おうとしたけど、半信半疑って感じ!?



「明日から学校に行くから、もうそろそろ寝かせて~」


 エリナは食事とお風呂を済ませて就寝した。





 次の日の学校も、まじ修羅場っ!


 友達の質問攻めの後、先生に職員室に連れて行かれて、又、質問攻め。でも一応優等生だったので、授業が始まる前に開放されました。



 お昼に親友のカンナと一緒に、お弁当を食べてる時の事。


「ゴメンネェ、カンナの好きな悠里お兄ちゃんが結婚しちゃったの~」


「ガビィィン、悠里様ロストッ!」



「でも向こうでは、重婚できるみたいだからぁ、カンナさえ良ければ諦めないでね~」


「……向こうって、何処の国なの?」



「内緒だけどぅ、異世界なの~」


「……エリナ……とうとう、コジラセチャッタ!」



「ほら~、見て見て~」


 私は、スマホで写した写真とビデオを見せて、お兄ちゃんの結婚を証明した。


「う~ん、半信半疑って感じ~?」



「これも見て~」


 スクちゃんユキちゃんと3人での、コスプレ決めポーズの写真を見せた。


「ふわぁぁ、カッコいい~、可愛いい~!」



「でしょ、でしょ。コミケに出たら目立つでしょ?」


「う~ん、スカウトとかマジきそう」


「はぁ、それはいいや~、何回かあるしぃ……。それより春休み迄に色々準備しなきゃね~」



「今度は夏コミでしょ?」


「コミケよりも、ホントの魔法少女に成りたいのっ!」


「うわぁ、……エリナ……やっぱり、とうとうコジラセチャッタ!」



「可愛いコスを着て、ダンスを決めて、本当の魔法を撃つのよ~!」


「……はいはい……大人に成ったら治るからね~。あんまり大きな声を出さないでね~」



 周りを見回すと変な空気が流れている。皆、会話を止めて、耳がこっちを向いていた。


「皆、私のこと痛い子だと思ってるね。グスン」


「そこは分かるんだ~」


「「あははははぁぁ」」




「じゃあね、ほら、あそこを歩いてるオジイサンに魔法をかけて見ようかぁ?」


「オジイサンって、あれ校長だしっ!」



「じゃあイクヨ~。……プルルンプルルンプルリンパ!」


 ひゅぅぅぅ、バサバサバサァァァッ!


 校長の頭頂部のすだれ髪が風魔法でなびいた。



「ほら~見たでしょ~、風魔法だよ~」


「偶然だし~」



「じゃあじゃあ、今度は水魔法イクヨ~。……キラリンキラリンピカリンパ!」


 ピチョンピチョンッ、ツルリ~ン!


 校長の頭頂部のすだれ髪が水魔法で濡れて、「ピカリン」と光った。



「ほら~見たでしょ~、水魔法だよ~」


「またまた偶然だし~」



「う~ん、これ以上の魔法で、怪我したら可哀想だしな~」


「ねえねえ火とか、指の先から出せないの~?」


「やってみるね~。……メラリンメラリンアチチッパ!」


 ボッワッ!



「ほらほら、出たよ~」


「エリナ、手品してるぅぅ」


 隣の席で見てた子が喜んでた。



「あはははは、大丈夫、信じてるから~。エリナの事~、悪気がないんだから~」


「もうっ! 何ですから~! プンプン!」




 よ~し3学期中に色々と準備するぞ~!

 まずはユキちゃんのフェアリークレストの衣装をお直しして、杖も作らないと。あと下着も買おっと、下がドロワーズじゃモコモコしちゃうからね。

 2人は結構な巨乳だから、ブラジャーとスポーツブラも持って行こっと。ユキちゃんなんかダンスするとタップンタップンしてるからね~。

 インベントリーが有るからイッパイ作って持って行けるしねぇ。

 料理とお菓子のレシピ本も持って行こう。

 イースト菌と麹菌と味噌と醤油と出汁も、思い付くだけバンバン入れちゃおぅ。食事とお菓子は大事だからね~。

 勿論、学年末テストも頑張らなくっちゃ~!



 私の今のステータスは~、


エリナ・シミズ Lv20

職業 魔法少女 妹 高校生

種族 人間

HP999 MP999


[パッシブスキル]

ステータスウインドウ

レーダーマップ

インベントリーボックス

物理耐性 魔力耐性

状態異常耐性

体力回復 魔力回復

状態回復

詠唱省略 魔法遅延省略


[スキル]

家事Lv3 農業Lv3

畜産Lv3 調教Lv5

解体Lv3 服飾Lv3

精肉Lv3 料理Lv3

菓子Lv3 鑑定Lv3

探索Lv3 識別Lv3

生活魔法Lv3

光魔法Lv5 火魔法Lv3

水魔法Lv3 風魔法Lv3

空間魔法Lv5 時空魔法Lv5

棒術Lv3

[称号]

ミス聖正学園中等部

時を翔ける乙女

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