緑色のケープコート

安価だが決して襤褸ぼろではない緑色のケープコート。


陰鬱いんうつとした都ル・イェではばかせるアダマンタイトプレス社が作成した戦う修道者しゅうどうしゃに向けたケープコートは大蜘蛛アラクナがったものというみがある。


長年愛用しただけあり年季相応ねんきそうおうにくたびれ、主人である私の高揚こうようをよそに疲れ果てている。


特別塔とくべつとう収容しゅうようされた時、アルカハムの特別塔とくべつとう職員しょくいんたちに没収ぼっしゅうされたはずだが悪夢と言う奴は存外ぞんがい気遣きづかいができるらしい。


少なくとも、塔の職員たちより友好的ゆうこうてきだ。


拘束衣こうそくいをつけたままや裸で悪夢に放り出されたらどうしようか? 

と、考えていたが杞憂きゆうだったようだ。

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