菌糸まみれの手帳に夜想曲を

可惜夜 秋

『照らし出された鐘楼』

『照らし出された鐘楼』

巡礼者じゅんれいしゃむかえる鐘の音がひびく。


くろもりはざわめき、胞子ほうし月光げっこうびてまたたきらめく。

それはまるで星屑スターダストのようであり、つられるように私の心もおどった。


足元あしもと水溜みずたまりが胞子のかがやきを複製ふくせいし、私は星間せいかんはさまれたかのような感覚かんかくおちいる。


宇宙そらから差し込む光の下、命が踊る夜。霊感れいかんは高まり、聖地への道が照らされる。


すなわち悪夢の中、今夜、星辰せいしんが正しい位置に戻り、私の巡礼が始まる。

俗世げんじつから隔離かくりされ秒針びょうしんが刻むことない、くらまばゆ時間やみの中で。

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