キックオフのその先に

夏目りほ

10万字までのあらすじ

 高校の超強豪サッカー部で挫折を味わった楠田公太郎は、田舎の二流大学で腐れ大学生になっていた。公太郎はかつての挫折を引きずったまま、何に対しても無気力な日々を過ごしていた。

 しかしそんなある日、従姉妹の八尾望が公太郎のアパートに押し掛けてくる。八尾は自分が所属する廃部寸前の女子サッカー部のコーチになって欲しいと言うのだ。その部は、顧問の先生が休職したのを理由に二、三年生が全員退部しており、現在は一年生六人だけの部活だった。あまりに怪しげな話であることと、サッカーに対する苦手意識を持っている公太郎は、初めはコーチになることを強く拒む。だが、八尾の力技で他の部員と無理やり交流させられてしまう。

 青春を謳歌する女子高生達のせいで更に卑屈になった公太郎。そして、中でも暫定キャプテンの久保竜子は公太郎の小中学校時代の栄光を知っており、サッカーから逃げ、堕落した彼を激しく嫌っていた。公太郎も、自分の忘れたい過去を知る久保竜子を苦手とし、より一層サッカー部に関わらないようにし始める。

 だが、どうしても公太郎にコーチになって欲しい八尾はもう一人の部員、遠藤綾と共に公太郎のアパートに再び押し掛け、勧誘。遠藤綾の重たい事情と八尾の熱意に負けた公太郎はコーチになるかどうかを少しだけ考えると約束。二人と別れて河川敷を歩いていると、ランニング中の久保と遭遇。実は公太郎の心身を心配していた久保の本心に気づき、自身も自らの過去に立ち向かうことを決意。サッカー部のコーチになることを決める。

 コーチとして活動を始めた公太郎。だが、部員達は得意分野を一つ持つかわりに、その他がまるでダメな選手たちだった。それでも本気で日本一を目指すと言う部員達を見て、公太郎は頭を悩ませるのだった。

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