「舎房の窓から見る空は」
やきざかな
第1話
この作品は友人との合作であり、三話構成となっています。
早朝5時。
眠い目をこすりながら身体を起こすと、窓を開けてまだ薄暗い空を
今日は
そんな新人じみた思いを抱きつつ、慣れた手つきで制服に着替え、弁当を入れた
官舎を出てすぐに見えるのは、高く
正門までの桜並木の道をゆったりと歩きつつ、自分の気持ちを仕事モードに切り替えていく。
正門に近づくにつれ、立派な
正門を抜け庁舎に入ると、
白塗りの
しかし、
所内でつい数日前に配属となった新人とすれ違い、軽い
刑務官は、
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4月の頭、まだ着慣れないスーツを身に着けて、所のインターホンを指先で押し込む。用件を聞かれ、今日が配属初日であることを伝えると、すぐに所内に案内された。緊張感や期待感をごちゃまぜにしたような、そんな震えを
緊張する手で受け取った「刑務官手帳」の重みは、俺の考えていたよりもズッシリと重い。俺の仕事への期待と不安を強く物語っていた。
次に「
初めて入る
コンクリート打ちっ放しの外壁。配管と、配線の張り
当時一番印象的だったのは収容者との距離感だった、同じ国で生まれて、同じ言語を話す彼らと、自分たちとの本質的な違いはおそらくないだろう。
しかし
こちらを見てくる被収容者たちを見渡しながら、ふと思う。
俺が働いている刑務所の収容者は、大まかに分けて「ヤクザ者」「薬物中毒」「身寄りの無い老人」が多い傾向にある。
彼らの大半が、短期間に複数回の犯罪を
ある者は薬物の
そんな彼らを、いかに更生させていくか。
そんな彼らから、いかに被害を受ける人々を減らしていくのか。
そんな彼らに、いかに仕事を与え安定した生活を送らせるのか。
日々、それが俺たちに期待される仕事だ。
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