● 第2話 このオレが、ラノベ主人公……ちょ、マジ?

 あの夢を見なくなってから、そろそろ一ヶ月近くが経つ。

 これから、例の夢のおかげでトンデモナイ方向に人生が一変しちゃう事になっちゃうんだが、この時はソンナ事を知る由もなく、これまでの人生史上最もユルゥ~イ毎日を楽しんでいた。


 意味不明の夢に悩まされる事のない、所謂「普通の日常生活」って奴をやっとこさ手に入れたってわけだ。ヤッパリ平和な日々って、気楽でイイよね。


 だけど、あの夢を見なくなってから何故か心の隅っこが妙にザワつく感じが続いている。

 夢を見なくなった今の方が、逆にあの夢の事を考えてばかりいる様になった。

 だからもう一度、落ち着いてあの夢について整理しておこうと思う。


 あの夢の声の主が誰かは分からないし、今は中身の方が大事だと思うからソッチから確認していく事にするね。声の内容が本当だとしたら、『使』……という事らしい。


 言っておくけど、コレがたまたま一回見ただけの普通の夢だったら内容なんてモチロン全く信じないし、後から気にしたりもしない。

 でも、コノ夢に関しては『普通じゃないナニか』を、何故だか感じる。


 その一方で、夢は所詮夢なんだし例え何回同じ内容の物を見ようが、それが現実になるなんて事は、トテモじゃないけど信じられないってのが本音でもある。普通そうだよね? 誰だってそう考えるよねぇ?


 なんて事を何回も思いあぐねているうちに、いつの間にか今週の講義はその全てが終わっていた。

 

 自分には誰かさんみたいに、コンナ不思議な事が起きた時に何でも相談出来るメガネがよく似合う白衣姿の化学部の女子みたいな友達はいない……。(あのアルコールランプを使っていれたコーヒー、一度でいいからあんな感じで飲んでみたいもんだ)

 おっと、話が脱線しちゃったな。


 あ! チョイ待ち!! 今更感アリアリなんだが、ずーっと自分の事「自分」

で通して来ちゃったから自己紹介とか、まだ何にもしてないんだった …… 。


 サーセン、皆様。何しろ作者が気まぐれでこのラノベを書き出して、ムリヤリ主人公にされちやったから、実は自分でも何をどう進めて行けばいいのかよく分からないんだよ。

 とりあえずは、名前からだよね。


 オレは、 神原 裕 かみはら ゆう。 十八歳の大学一年生だ。

 身長165センチぐらいで、体重は45キロぐらいかな……。

 覚えている限り、体脂肪率はずっと一桁の所謂ヤセッポチという奴だ。どうやら食べても太れない体質らしい。


 特技は、『合気道』や『古武術』『プンチャック・シラット』をはじめとする、様々な武術や格闘技かな。

 子供の頃、とにかく病弱な時期があったもんだから家族が心配してくれて半ばムリヤリに色々と習わされてたんだけど、いつの間にか自分がハマッってた。


 趣味はとにかく多趣味で、興味が湧けば何にでも首を突っ込むタイプ。

 特に音楽と映画・アニメ全般・あとミニカー収集(WRC 世界ラリー選手権のラリー・カー限定)とか、最近はアンティークの腕時計が激アツ過ぎる(値段高くて、トテモじゃないけど買えないよ……)等、沢山あり過ぎて書き切れないや。


 あと、見た目の特徴といえば……そう、背中の真ん中ぐらいまでの髪の毛(ロン毛)ぐらいだろうか。これは、昔から所謂『ハード・ロック』、『ヘヴィ・メタル』や『V系』関係の音楽が好きだったし、今でも大好きなので、その影響が大きく反映してるってワケだ。


 だから、普段の服装も当然ながらソッチ系のが多いし、靴も断然ブーツ派だ。

 中でも『Dr.Martens(ドクターマーチン)』が、大のお気に入り!


 今は都内某所に独り暮らしだけど、富士五湖の一つ山中湖のすぐそばに実家があ

る。家族は、母さんと姉さんの二人。話が進んでいくと多分出てくるだろうから

二人の事についてはその時に話すね。


 まぁ、簡単ではあるけどコンナとこかなー……。

 とりあえず以後ヨロシクね、みんな!


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