第二章
1 ミア
学校は嫌いだ。いつも独りぼっちだし、いつも虐められる。目が赤いってだけで虐められる。それがどうしていけないんだろう。
でも行かなくちゃいけないんだ、おばあちゃんと約束したから。
大好きなおばあちゃん、でも本当のおばあちゃんじゃない。お父さんとお母さんが死んじゃって、今のおばあちゃんが私を育ててくれた。
でも私の大切なおばあちゃん。だからおばあちゃんとの約束は守らなくちゃいけない。
私は小さな頃から魔術が使えた。それを見たおばあちゃんが色んな人にお願いして私を学校に入れてくれた。
学校に入る事が決まった時、おばあちゃんは凄く喜んでくれた。私もおばあちゃんが喜んでくれた事が凄く嬉しかった。
学校に入ると寮に入らなくちゃいけなかった。おばあちゃんは一人で辛くても学校がんばるんだよ、ミアちゃんががんばっていたら、おばあちゃんもがんばれるから、約束だよって。
だから私はがんばらなくちゃいけない。
学校に入ったばかりの頃は、毎日が楽しかった。何もかもが知らない事ばかり。見た事が無い物ばかり。友達も出来た。
でも時間が経つにつれて何かが変わっていった。友達はみんな私から遠ざかっていった。学校が辛くなっていった。
私にはおばあちゃんがプレゼントしてくれた、クマのぬいぐるみだけが友達。他には友達はいない。
それでも今日も学校に行かなくちゃいけない。私はがんばらなくちゃいけない。
いつも通り教室に入ると私の机と椅子がひっくり返っていた。クラスのみんなは私を見てクスクス笑ってる。先生は何も言ってくれない。
机と椅子を戻すと机の中にカビの生えたパンが入ってた。もちろん私のじゃない。誰かが入れたんだろう。私は何も言わずパンを屑籠に捨てた。
授業が始まると少しは気が楽。勉強は好き。知らない事覚えるのは楽しい。
頭に何か当たった。誰かが私の頭に何か投げたんだろう。こんな風に授業中でも嫌がらせされる。私は勉強したいのに。
私はこの学校に入ってからずっと成績は一番。それがみんな気に入らないのかな。でも、普通に勉強してるだけなのに。
魔術の実技だって、私は普通にしてただけ。魔術の詠唱しなくても、触媒が無くても魔術が使える事に皆驚いてたけど、私は普通にしただけ。
だけど、普通にしているだけで虐められた。赤い目だ、呪われてる、悪魔だ、そんな事をずっと言われてきた。最初は言い返してた。そうすると今度は無視されるようになった。私は何も言わなくなった。
みんな私にどうして欲しいんだろう。ただ静かに勉強していちゃだめなのかな。私の事嫌いなのはどうでもいいけど、それなら私に構わないで欲しい。
放っておいてくれたら、私はずっと静かにしているのに。
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