1話 私の日常

 ドルオタと聴かれたらあなたはどんな人を浮かべますか?

 普通の人、太った人、影のうすい人、ちゃらい人。

 実際、ドルオタには色々なタイプの人がいます。

 オタク活動にどっぷり使った人と使っていない人ではオタクといっても全然違います。


 前世はオタクといっても、ちょっと人より知ってるだけの、所謂、ファッションオタクでした。


 ですが、今世では違います。

 どっぷり、オタク活動に使っているからです。

 朝の目覚ましは…

「起きてー」

 ドアが声の大きさとは似合わず、ゆっくり開きます。

 そして、すぐさま私の布団がなすすべもなく剥ぎ取られてしまいます。

 寒い。眠い。お布団。

「お姉ちゃん、朝だよ。ご飯出来たよー。起きて」

 妹の茜は私の耳元で囁きながら、私のスマホを手に取り、パスワード教えていないのに当たり前のようにロックを解除して、ひなこたんファン御用達のひなこたんのおはようボイスアラームを消します。

 今日も聞けなかったです。


 茜が来る前に、早く目覚ましをかければいいって。

 朝の一分一秒、睡眠のためには削れないので無理です。


 私がそんなたわいもないことを考えている間に、茜は私の制服を用意して、私の服を脱がしていきます。私はされるがままです。


 昔は私が茜の世話をしてあげていたのですがいつの間にか立場が逆転しました。

 あんなにお姉ちゃん、お姉ちゃんって頼ってきた可愛い妹はいつの間にか、お姉ちゃん、お姉ちゃんって私の身の回りの世話をしてくれます。


 あれ?別にそれでも良いんじゃないですかね?


 茜によって、制服を綺麗に着せられ、茜に手を引かれながら階段をおりリビングに向かいます。


 リビングにはお父さんとお母さんが座っており、ご飯、味噌汁、サラダという、妹が作った我が家の一般的な朝食が並んでいます。何もなければうちでは家族全員で食べます。


 茜が思春期に入っでお父さんを邪険にしはじめても、朝食はこのとおり全員で食べています。

 因みに、定番の"父親のものと一緒に洗わない"では、茜が洗濯を行っているため、私のと一緒に勝手に別けられていた。


「「「「いたたぎます」」」」

「味噌汁。美味しいぞ。茜」

「…」

 茜は最近反抗期なのかお父さんの言葉は基本無視する。

 沈黙が辛い。

 母親は我関せずといった感じで、美味しそうに食べている。因みに、この両親は基本的にラブラブなので良くわからない。

「美味しい朝ごはん、いつもありがとうね茜」

「お姉ちゃんが美味しく食べてくれて嬉しいな」

 この、対応の差。

 やっぱり、家の茜ちゃんはお姉ちゃん子だは。

 父親がこちらをすがるような目でこちらを見てくる。


 私は父親の気持ちもわかるので、普通に接していますが、茜がそれを見ると怒るので、ここは無視です。さらに、お父さん早く目を反らした方が良いですよ。


「お父さん、お姉ちゃんをいやらしい目で見ないで」

 ほら、言わんこちゃない。

 父親は捨てられた犬のような目をする。

 お母さんもばりばり働いているので、父親の収入が無くても大丈夫ですが、お金を家庭に入れているのにこの扱いは可愛いそうです。

 まあ、夜はお母さんといちゃいちゃしているので大丈夫でしょう。このリア充が。


 食べ終わって、食器を私とお母さんが片付けます。

 茜はその間に登校して行きます。

 一緒に登校しないのは意外かと思われますが、茜と同じ高校に通っているのですが茜は朝に生徒会の仕事を行うために朝早く登校しているのです。


 私はリビングの上で軽く睡眠を取ります。

 正直、布団の中で寝たいのですが制服に着替えてしまっていて更に布団の中で寝たら、寝坊が確定するのでしぶしぶリビングの上で寝ています。


 そして、ここでひなこたんのおはようボイスが聞こえるの…

「ピンポーン、ピンポーン」

 友達のわかばちゃんが着たようです。

 私は起きて、いやいや、アラームを消します。

 アラームを早くかけない理由は以下略。


「…ゆかちゃん、…おはよう」

 玄関を開けると、そこには小柄で守ってあげたくなるような美少女が立っています。

 平石わかばちゃんです。

 小学校からの親友で、なんと現役地下アイドルです。

「おはよう。行こうか」


 わかばちゃんとたわいも無い話しながら学校へ向かいます。


 学校は家から10駅離れた場所にあり通学時間は約30分です。近いようで、遠い距離です。

 日本の首都、東京であるため通学電車は毎日満員です。わかばちゃんが潰されないように守ってあげないといけません。


「…ゆかちゃん、…小テストの英単語おぼえた?」

「小テストあったけ!?」

 英語の先生は小テストで悪い点とった生徒には怒鳴り散らします。怒鳴り散らされたあかつきには耳がじんじんするようになるんで絶対に嫌です。

「どんな単語でるの?」

「grain,remain,submit…」

 私は前世の記憶をたどり、英単語を思い出します。

 勿論、前世で英単語なんて殆ど使ったこと無かったんで一つも思い出せません。

「着いたね」

 そうこうしているうちに学校に着きます。

「じゃあ、今日も頑張っていきましょう」

「…うん」

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