こたまのま!~令和日本妖怪奇譚~

主城

こたまのま!

プロローグ、みたいな

 妖怪。

 古来より日本に住んでいると言われる人ならざるものの総称。


 『信じる』『信じない』はともかく、皆さんにとって彼らはどういうイメージだろうか?


 人を驚かすお化け。メダルで出てくる愉快な友達……。色々あると思う。


 だが、そんなイメージは全てまやかし。フィクションだ。

 断言しよう。

 

 ――妖怪は人類の敵であると!


 奴らは嬉々として人間を襲い、その生活を脅かす邪悪なる存在だ。

 弱者を踏みにじり、大切なものを奪っていく。


 かくいう俺も、幼き日に妖怪に大事なものを奪われた者の一人である。


 その日以来、俺は妖怪への復讐の為に厳しい修行を重ねてきた。

 妖術に負けない身体と精神力、生態研究、邪気の封印方法など、あらゆる事柄を勉強し、試練を経てようやく『妖怪退治師』としての資格を手に入れることができたのだ!


 『妖怪退治師』とは、読んで字のごとく『妖怪を退治する人』の事。

 人間に害をなす妖怪を、正気を纏った武器で祓う。うちの家は先祖代々この職を生業としてきた。


 そんな偉大な血筋を、俺は受け継いでいるのだ。


これからは、俺が妖怪どもをばったばったと斬りまくる!

殲滅してやるのだ! 一匹残らず!


 しかし、そんな俺の野望はあっという間に潰えることになる。


 それは中学二年の春。

 全ては、あいつが俺の前に現れた、あの日から始まったんだ。


 



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