恋愛?なにそれ?おいしいの?

野獣と化した環音

学校?なにそれ?おいしいの?

 僕の両親は頭のいいイケメンと美少女だった。自分で言っちゃなんだが、俺はそれなりにイケメンで頭も毎回学年一位はとってるぐらいいい。

 イケメンで頭が良くて誰もが俺と入れ替わりたいだろう、俺はその逆。俺だって平凡な学生と入れ替わりたい、イケメンだからモテる、だがしかし男子からは嫌われる。頭がいいから羨ましがれる、だがしかし嫉妬される。

 そして俺はいつの日か虐められるようになった、


蹴られ殴られ刺され罵倒され蔑まされ濡らされ落書きされ家が燃やされ...


どんどんいじめはエスカレートしていった。

 だがしかし両親も先生もこのことを知らない、家が燃やされたのも俺のせいになった、沢山できたアザは俺が陸上大会に向けて頑張ってると解釈された。

 俺は誰にも言えなかった、俺は誰にも相談できなかった、俺はいじめられ続けた、そして遂に俺は決意した、引っ越そうと、引っ越した先では平凡な学生を演じようと。

 俺は両親に引っ越しをしたいと覚悟を決めて言った、両親は承知してくれた、両親は全部知ってた、「ごめんね...ごめんね...知らないフリしててごめんねっ...」って涙を流しながら。

 引っ越しが決まり、引っ越しまで二週間ぐらいあるので俺は好きな小説を書いた、書いた小説はネットに載せた、すると俺の書いた小説は一千万pvを軽く超えた。

 またやってしまった、と...どうやら俺は思った以上にチートだ、何をやっても上手くいく、自重しなきゃ、と心に誓った。

 そして遂に引っ越しの日、俺はこの日天才を辞めた、そしてこの日俺はいじめられていた記憶をなくした。


▷▶︎▷


 今日から新生活!と気合を入れて学校へ向かう。

 何故引っ越したのか覚えてないが平凡な学生を演じることだけは覚えている...


「あれ?俺の名前なんだっけ?えぇーと...」


思い出した!俺の名前は神谷かみや伊織いおり今年から高校生になるんだ!


「よし!名前も思い出したし張り切って行くぞ!」


 俺はワクワクしながら学校へ向かった。校門に着いたのは良いものの緊張してきた、俺が通う学校は雨ノ山高校、頭がいい人や普通の人が通っている学校だ。

 俺は緊張しながらも校門を抜け昇降口に張り出されていたクラス表を見る。


「えぇーと...あっあった!」


 神谷伊織の名前は三組のクラス表に載っていた。ちなみにこの学校は三組まである。

 俺は昇降口の人集りを抜け三組の教室へとむかった。三組の教室のドアの前まで着いたが開けるのが緊張する、三十秒後に俺は覚悟を決め教室のドアを開けた。


「あれ、誰もいない...」


 どうやらまだみんなは昇降口でクラスを確認しているようだ、これはこれで気まずい。

 しばらくすると人がだんだん増えていった。周りを見渡すと早速グループが出来ていた。俺もある程度友達作らなきゃなぁ。

 そんなことを考えていると担任の先生?が入ってきた。


「よし、みんな揃ってるな。私はこのクラスの担任の八坂やさか琴美ことみだ、よろしく。それと今から入学式があるから並んで体育館に移動しろ。」


 八坂先生は黒髪黒目のロングで見た目厳しそうな先生だ。

 入学式かぁ、なんか緊張するなぁ、てか俺緊張してばっかだな。

 廊下に並んで体育館へ向かう途中何となく女子を見てたら茶髪ショートの子を見つけた、最初は可愛いなぁぐらいだったのだがなんどもチラチラ見てしまう、あれぇ?おかしいぞぉ?なんでこんなにあの子が気になるんだろ...?と考えてたらいつの間にか入学式が終わっていた。

 教室に戻ると席につき自己紹介とかを無事終えあの子を探した、だが見つからない。


「はぁ、違うクラスかぁ。」

ため息をつき机に突っ伏す。

「はいこれ。」

手紙が送られてきてそれを受けと...る?

「え?」

「え?」

 上から順に俺、茶髪の女の子だ。て、ちょっと待った!あれ?俺あんなに探したのに目の前に居たなんて、あれ?あ、これが盲点と言うやつか...

 俺は廊下側の前から二番目の席なのだが前の席の子は気にしてなかった...不覚。

ちなみに隣の人は男子だ。さっき仲良くなって


「えぇ!それでどうなったの?」

「主人公が...死ぬんだよ!」

「えぇ!まじか!」


ってアニメの話で盛り上がった。彼の名前は一条いちじょうひかる、黒髪黒目で結構イケメン。こいつ...モテる...!?

 そんなことりよも今は絶賛前の席に座ってる茶髪の女の子のことだ。俺は正直なんでこんな気になるのか分からない、だから仲良くなってこのモヤモヤを解消したいのだが...なんか恥ずかしい、何故なんだ?考えてもわかんない...


「なんだ伊織、悩み事か?」

「何故わかった...!?」

「顔で分かる(ドヤ)」

「すごいな!?」


 光に言ってみるか...自分で考えても分からないし。

 俺は光に誰にも聞こえないような声で悩み事を打ち明けた。


「実はさっきから前の席の子を見るとモヤモヤするんだ...」

「...なるほど、よかったな!ぐへへへ」

「おい!一人で勝手に解決するな!」

「よかっな!」

「おい!」


 結局光はこのモヤモヤがなんなのか教えてくれなかった...めっちゃ気になる。

 モヤモヤしながら学校が終わり帰路につく、茶髪の女の子は逆方向なことが分かった、悲しいなぁ。ちなみに光の家が俺の家の近くだった、なので帰り道も同じ...


「おい、さっきからツンツンするのやめろ!」

「いいじゃん!ほっぺたプニプニなんだし!」

「こいつ!」


 そんなことがありながらも無事家についた。俺は一人暮らしだ、両親は仕事場が引っ越し前の家の方が近いためそこに住んでいる。俺には妹もいるが妹も両親と住んでいるだろう。


「はぁ、今日も疲れた...濃い一日だったな。」


 ほんとに今日は濃い一日だった...一日がこんなに長く感じたのがなんだが初めてじゃない気がするが気のせいだろう。そんなことを思いながら冷蔵庫を開けると置き手紙と共にオムライスが作ってあった。


元気にしてますか?明日から出張に行くので作り置きが出来ません!なので自炊出来るように!

母より


「母さん今日来てたのか...自炊かぁ...」


 こんな俺でも唯一出来ないのが料理なのだが...はぁ。


その後夜中の1時まで料理の勉強をして、無事料理出来るようになった。


「はぁ...疲れたよ!けどこれで料理出来るようになったぞ!やったぁ!」

「夜中にうるさいぞ!」

「ん!?...す、すみません。」


 まさか隣の家の人に大声で怒られるなんて思ってもなかったからめっちゃビックリした...まぁ俺が悪いんだけども...


「よし、明日はあの子と仲良くなるぞ!」


 気合を入れ俺は暖かい布団に入り...あ、お風呂と歯磨き忘れてた...


二十分後


 気合を入れ直し暖かい布団に入り、深い眠りについた...

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る