変わらないこの村の中で永遠に在り続ける
霜月ふたご
壱人目の村人・荒くれのジェリー
代わりに大きな蓑虫が一体
それは、激しい
一人の少年が
連れの男が
幸いなことに命に別状はなかったが、足を
冷たい雨が激しく打ち付け、
少年は、痛みに
肩を貸して自らが支えになりながら、ぬかるむ山の道を転ばないようにゆっくりと進んで行ったのであった。
——いつまでもここで、こうしている訳にはいかない。
体を
少年は、連れの体を地面に横たわらせた。
すると連れが、ガタガタと身を震わせながら
「早く、あんな恐ろしい村から、遠くに離れなければ……」
彼は
彼らにとって、あの村での生活は——理解し
「きっと、大丈夫だよ。外から、助けが来るから」
少年は連れの手を握って
「助けなんか来るものか!」
連れの男は
「俺があの村で、どれ程に恐ろしい目にあったのか、お前なんぞに分かるものか!」
そう怒鳴った連れの男は、そこらの小石を手に取った。何を思ったのか、連れの男は少年の頭
ここまで連れの男のために尽くしてやったというのに、この仕打ちは何であろうか——。少年の瞳に、怒りの色が燃え上がった。
少年はゆっくりと立ち上がると、連れの男を睨み付けた。
そして、言ってやった——。
「ジェリーお兄ちゃんは絶対に、そんなことをしないよ」
連れの男は鼻を鳴らした。まるで気でも狂ったかのように、盛大に笑い声を上げた。
「ジェリー? はぁ? ……誰のことを言っているんだよ! 俺の本当の名前はなぁ……!」
——しかし、男がその後の言葉を口にすることはなかった。
なぜなら、連れの頭が、次の
初めは必死に身をくねらせて抵抗していた男だが、バランスを崩して地面に倒れて以降はピクリとも動かなくなった。
「……ジェリーお兄ちゃん以外は、この村にはいらないんだよ」
少年が、男を見下ろしながら冷酷な笑みを浮かべた。
——その言葉は、誰に向けられたものなのだろう。
代わりに人間程の大きさもある巨大な
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