男子禁制。マンモな話。(2)〜乙女の検診
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(1)から二年、再度、崇高な目的(!?)のもとにアップした2011年の記事。
すっかり慣れたはずのマンモグラフィー検査に、恥じらいを感じる場合もあります。油断は禁物。
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ゆうべ、シャワーを浴びながら、私の頭の中では、おっぱいにまつわる、とあるテーマについて思い巡らされていた。
いつだったか見たテレビに女医が出ていて、スタジオのお笑い芸人男子陣に対してものすごいドヤ顔で、「私の長年の診療経験から言って、女性の○○%は、乳毛が生えてることを気にしていません」と言った。男子陣は、理想が崩れたとばかりに、「え”~~っ」とお約束の叫び声を上げ、ウソや~!とか、なんで~?とか、もう非難ゴウゴウ状態になった。
そこでわたくし、テレビの女医に向かって、ツッコミを入れたのであった。
この女医が見て来たという現場の実態は、スタジオの男子陣が妄想してるようなシーンとまったく別物だということに、この女医は気づくべきである。
つまり、たとえば、病院=マジメな場という認識だったとして、しかも、相手が女医となると、毛が生えてても「ま、いっか」となる確率は高い。脇毛(触診の時バンザイするので見える)もまたしかり。相手は医者なんだから気にしないでしょ、と。
ましてや、そんなことのために毛を処理して、次のもっと肝心な勝負の時に、生えかけの、一番処理しづらい状態になっちゃったりした日にゃ、目もあてられない。。。だから、病院などのためにムダ毛を処理するのはムダと考える(人がいても、何らおかしくない)。
しかも。
このわたくしの場合、過去、つきあってる男子に向かっても、「これはワザと生やしてるんだからね、抜かないでよ」と言い放っていたのである。「これ抜くと、金運下がるから!」と。
まさに、そうなのだ。わたくしはこれを、「タカラ毛」として大切にしておる(特に、中心より下に生えるヤツ)。
(まあ、つきあいはじめや勝負の時は、「御免!」と抜いたりもするのだが、その時、お財布からお金が飛んで行く図が必ず頭に浮かぶ)
そういう人は、ほかにもきっといる。
ふふん。めったなことで、抜いてなるものか。
さて。
今日は、年に一度のマンモちゃんの日であった。
過去2年にわたり、検査技師は百戦錬磨のオッさんだった(別々の)。
な、な、なのに。なぜに、今日に限って、技師になりたて、汚れを知らない、みたいな、いたいけな男の子なんだ~~~!?
こんないたいけな男子に、サンドイッチをつかむみたいな事務的な手つきでおっぱいをつかむなんて、そんな間違ったクセをつけさせていいのか!
これからいくらでも明るい未来が待っている。いや、まさに現役の男子であるのだぞ。遠い目のオッさんたちとは違うのだぞ。
と、おネエさんは、心の中で激しく葛藤した。
しかし。
私は検査を受けねばならない。そして、いたいけ男子は、これから技師として熟達していかねばならない。いつか、百戦錬磨のオッさんたちのようになるために。
わかったわ。よくってよ。あなたが熟練の域に達するために、このわたくしの胸を借りたいというのなら、わたくしは喜んでこの胸を貸してあげてよ。(←お蝶夫人風でお願いします)
と、胸を、否、腹を決めたわたくしは、「上半身ハダカになってください」という彼の指示に従うことにしたのだった。
ちなみに、鏡でチラッと見たところ、今日は、ピチピチのレギンス風の白いパンツをブーツインしていたので、乗馬服の上だけ脱いだ人、みたいなミョーな格好で、まるでコスプレだった。本当に乗馬中でムチを持っていたとしたら、SMの女王と言ってもよい状態になっておった。
「お支度できたら、こちらに出て来てください」と彼。
よろしくってよ、と、このわたくしもミョーなコスプレで颯爽と登場したまではよかったのだが。
機械の前に正しい立ち位置で立たせるために、彼は、わたくしの背中に手を回し、あちら側の肩に手を置き、やさしく引き寄せるように私を誘導…
あぁ、ダメ、ごめんなさい!私ったら、背中がこんなに汗ばんでるわ!!(暖房が暑かったから)
と、こんなところで、急におネエさんモードからすっかりいたいけな乙女に戻ってしまったわたくしは、久方ぶりに「はじらい」というものを感じたのであった。ほんの一瞬であったが。
そして、正しい位置に立つと、彼は、「では、つかませていただきます」と、礼儀正しくわたくしのおっぱいをサンドイッチをつかむような手つきでつかんで機械にはさみながら、さらに、「脇、失礼します」と、そこらへんの脂肪を集めてくる。あぁ、いたいけな若者よ。。。
むむ。しかし、オッさんたちに比べて、寄せ集め方が足りないのではないか?
あぁ、そんなことより、このわたくしにはしっかりと根付いたタカラ毛が。。。
ーめくるめく想念の嵐ー(中略)
そんなこんなで、両おっぱいとも、上下つぶしと左右つぶしの2パターンずつ撮ると、彼は「チェックするので、ハダカのままで待っていてください」などと言う。王子のように誠実な声で。
そういえば、一昨年、人より乳腺が上の方まであるとかなんとかで、撮り直したっけ。そして、それを、去年のオッさんにはあらかじめ言って、一発で決まった。今日は、いたいけな若者だったために、ほかのことに頭が行ってしまって、言うのを忘れていた。
案の定、「ごめんなさい、右だけ撮り直させてください」と、来た。
よくってよ、よくってよ。いくらでも、このわたくしを踏み台にするがいいわ。
一生懸命に脂肪を集めて機械に押し込む彼の額には、かすかに汗がにじむ。あぁ、いたいけな若者よ、若者よ。。。
おネエさんは、それから2回も、撮り直しをさせてあげた。あなたの修業のためなら、少しよけいに被曝するくらい、なんだって言うのか。
しかし、おっぱいの周りには機械のあとがくっきりと残り、ますますSMの女王風になっていたのだよ。余談だが。
現像したフィルムをうやうやしく手渡して、「何度もすみませんでした。これを外科の~」と案内するいたいけな若者の言葉を聞きながら、おネエさんは、いつかもっと大成したあなたの姿を見る日を楽しみにしているわ、と心の中でつぶやき、颯爽と去って来たのである。
それにしても、今日に限っては、「タカラ毛」を奉納してから参上するべきだったか。。。(何の勝負だ)
それから、いつも、ガレッ○セールかっ!とひそかにツッコミを入れているゴリ田先生の華麗な指ワザ、否、触診を受け、経過観察中の塊も、栄枯盛衰の法則に則り、小さくなりこそすれ大きくはなっていないとのことで、めでたくまた一年後、となりました。
去年か一昨年か、このマンモちゃん報告の時に、上下方向からつぶす時はドナルドダックの口、左右方向からつぶす時はムンクの「叫び」の超激しい版をイメージしていただくとよいと書いた気がするのだが、今日は、つぶされたおっぱいを見ていたらカルツォーネが無性に食べたくなったので、帰りに買った次第。
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