ぶらさがりたい症候群。
私はものすごい肩こり症です。それはもう小学生のころから。
ひどくなると頭痛、最悪の場合は吐き気も併発して、そこまで来ると寝ても治らない。というか、寝るのもつらい、となる。
薬(市販の)が効かないことも多く、とにかくおさまるのを待つしかないような悲惨な事態に陥ったりもする。
なので、昔からいろいろなことを試してきた。
ラジオ体操、肩こり体操、ヨガ、エアロビ、あたためる、冷湿布、ピッ○エレキバン、頭痛薬、沈痛解熱剤、お茶、肩もみ or 肩たたきグッズ、鍼灸、マッサージ、指圧、整形外科……もうもうあらゆることを試した。
どれも、効くこともあれば効かないこともある。だから、こうしたら絶対だ、というのはまだない。
凝らないような姿勢や生活習慣を身につけて、それでも凝ってしまったら、その時に気が向いた方法で、あるいはフトコロ事情に合わせて、対症療法的に対処するしかないというのが、暫定的な結論となっております。
ちなみに私の肩こりがどれくらいひどいかと言うと、マッサージ屋の熟練のおじさんが「強過ぎたら言ってくださいねー」と段階的に施術の強度を上げていって、最後は施術台に乗っかって、座っている私の肩に全体重をかけてほぐそうとするところまで行って、「これでどうですか?」と訊かれたので「何も感じません」と答えて、おじさんはびっくらこいて敗北宣言をした、ということがあったくらい、ガチガチになるとビクともしない。
しかも、これくらいになることはよくある。
そろそろ今日のタイトルの件に行きますが、立った状態で体を真っ二つに前屈して折り曲げて腕をぶらぶらするとすごく肩が気持ちいい。
きっと、肩甲骨のところが開くのがいいんだと思う。
そのことに気づいて、もっと強引に暴力的に肩甲骨を開きたい! と、私の肩甲骨開き欲求は日に日に高まってどうしようもないほどになっていった。そして、どうしたらその欲求を満たせるか、ことあるごとに考え続けた。
昔バカにして眺めていたけど、ぶら下がり健康器は買っておくべきだったか。しくった……。
ある日ある時、思い立って、近所の児童公園に人がいなさそうな時間に行って、コッソリ一番高い鉄棒にぶら下がってみた。足は地面についたまま前方に伸ばして、上半身の体重くらいの重さをかける。
気持ちいい〜!!
ああ、こうなったらやはり、全身の体重をかけてみた〜い!
さらに欲求は高まる。
しかし意外にも、そんな機会は滅多にない。事実、いまだに一度もない。
児童公園に上半身だけぶら下がってるヘンな女として近所で有名になりたくもなかったので、鉄棒ぶら下がりもその一回だけだ。
そんな中、数年前に短期間通っていたジムの、とあるマシンで同じ効果を味わうことができることに気づいた。
名前を「ラットプルダウン」と言うらしい。
私は行くたびに、それをやるのが楽しみだった。
それなのにそれなのに。
そのマシンは、しょっちゅう故障するのだ。しかも、一度故障すると、「故障中」の付箋が貼られたまま、いつまでたっても修理されない。
だいぶ経ってやっと直って、また数回やったら、その後すぐまた故障していた。
私がジムに足が向かなくなった理由のうちの一つがそれだ。
それだけではないけど、それが故障してなかったらそのマシンやりたさにまだ通えていたかもしれないと思うくらいには重要なことだった。
とにかく、(こじれた気持ちのせいにしながら)そのジムにはずっと行ってない(2019年5月現在)。
そんなわけで、最近の私は「ぶら下がり健康器」のことを日々考え、ネットで何度も値段を見たり、レビューを見たりするようになっていた。
ポチりそうになっては、意外に高い、無駄にデカい、挫折したのちに洗濯干しとして使うには微妙にジャマな形状らしい、と知って思いとどまっている。
ある芸能人(にしきの○きらだったか?)がうらやましい。確か、自宅を新築した際に、作り付けのぶら下がり用バーを設置したとか言っていた。
ぶら下がりたい、ぶら下がりたい!
そして、なぜか魔が差して短絡的に入会してしまった別のフィットネスジムに、ラットプルダウンを見つけた私。苦節ン年、ついに願いが叶った。
(続く)
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