老人と少年の世代を超えた心通う物語。

天球儀ナグルファル!d(*´ω`🎀)

第1話で終わる物語

 「君は過去に戻りたいと言っておったじゃろ?」

「な、なにを言うんですかッ博士」

「ついにのう、完成したんじゃよ、タイムマシンがっ!」

「た、タイムマシン!?ほんとうですかっ」

「ホントじゃとも。君は過去に未練があるじゃないか、未練を解消しておいで」

(なんか・・・・・・良いこと言って実験に利用されてる気もするけど)

「わかりました。使わせてください」

「(๑•̀ㅂ•́)و✧頭にコレをつけるのじゃ、見た目はヘルメットみたいじゃが、コレこそがタイムマシンじゃよ」

「コレでいいんですか?なんだか頼りないんですね、乗り物とかだと思ってましたよ」

「フフフ、そんなモノは場所をとるだけで合理的じゃあない。それにタイムマシンと言っても未来には行けん、過去にしか行けんのじゃ」

「未来に行けないんですか?」

「君には必要なかろう。過去を悔やんでいるのじゃから、それに過去もその人自身の体験でしか行けん」

「えっ」

「要するに、このヘルメットは脳の電気信号の伝わった経路を探りあて、もう一度リスタートできるのじゃよ、ワレワレが知覚してる音や映像なんかは脳内の電気信号に過ぎ・・・」

「もういいです、原理は何となくわかりました」

「ふむ、ではいっておいで」

「はい」


 (数分後)


「ココが過去。たしかに僕はこの光景を知っている。あっ、彼女だ。あの子が帰ってしまう前に呼び止めなければ、また気持ちを伝えずに終わってしまう、あの・・・」

(返事がないっ、呼びかけてるのに返事がない、どうして)


(数分後)


「お〜、どうじゃった?過去は」

「博士、コレは過去に行けても何も変わりませんよ」

「電気信号を再度送り出してるだけじゃからの。君の過去を追体験してるにすぎん」

「じゃあ何で僕にコンナモノ使わせたんですかっ!実験したかっただけじゃないんですか?」

「会えたじゃろ?」

「へ」

「ひと目でも会えたんじゃろ彼女に」

「はい、会えました」

「君はあの娘に会いたがっていた。今日はあの娘の命日だったじゃろ。十分このタイムマシンには意味があったハズじゃ。コレからは前を向きなさい、他のは知らんがワシのこのタイムマシンは過去を変えることはできないのじゃから、ただ触れるだけ。でも明日への活力にはなったじゃろ。未来を生きろ少年よ(*´ω`*)b!」

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老人と少年の世代を超えた心通う物語。 天球儀ナグルファル!d(*´ω`🎀) @ZERO0312

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