第45話 エクストラヒール
アクティーとの獣のようなセックスの後、レベルが上がったことに俺は疑問だった。
(また、レベルが上がった?いくらなんでも早すぎないか?)
これには幾つかの理由があるのだが、いくら考えても、俺には分かるはずもなかった。
マリアの処女を奪ったことによる大量の経験値ボーナス、マリアとアクティーの2人を同時にセックスしたことによる大量の経験値ボーナス。それと、絶技を発動してのセックスは相手を快楽の限界まで呼び起こすので、そこでも大量の経験値のボーナスを得ていたのだ。
(オータス)
名前 アラン
種族 ヒューム
年齢 12歳
力 293(325-64+32)
体力 592(424+42+126)
俊敏 507(423+42+42)
器用 996(768+152+76)
知力 231(256-50+25)
魔力 195(216-42+21)
ジョブ 遊び人lv34
ジョブスキル 逃げ足、口笛、流し目、体力成長、器用成長、チャーム、絶技、チャームⅡ、フェロモン
称号 転生者、神ファルスの加護を受けし者、魔物を狩りし者、ネズミをテイムせし者、初心者ダンジョンを制した者、ハーレム野郎
(ハーレム野郎?なんだそれは?)
ハーレム野郎
2人以上の女性と同時に営みを行った者に贈られる称号
体力に大きく補正がつく。
(・・・見なかったことにしよう…)
『アクティー、俺たちはこれから逃げ出すとして、マリア王女はどうしようか…』
『こんな女殺しましょう!
ここで殺しても、誰のせいにもならないでしょう。アリスト教も神殿の地下のこんな拷問部屋でマリア王女が死んだことが発覚したら、不味いことになるでしょうし、行方不明にでもして、秘密裏に死体を処分してくれるんじゃないかしら?
私への依頼も依頼者行方不明もしくは死亡ということで、うやむやにできるんじゃないかしら?どちらにしろ、組織とは一度話す必要はあるけど…』
『…ま、待って…』
マリアが枯れた声で、弱々しく言ってくる。
『マリア王女、目を覚ましたんですね…
あの…自分たちの命が賭かっていたので後悔はないのですが、スキルの影響であなたの初めてを奪うことになったことだけはお詫びしておきます。』
『そんなことは、どうでもいいの。私は目覚めたのです。先ほどは、あまりの快感の連続に何度も死を覚悟しました。
そして、気づいたのです。今まで私の拘っていたことの何と、くだらないことか…
地位、名誉、民衆からのイメージ…そんなものに拘ることで、精神を病み、人を傷つけなければ、自分を保てなくなっていた気がします。
これからの私には、そんなもの必要ありません。あなたのモノから伝わってきた、私を包み込む愛に応えられればよいのです!
私の残りの人生には、あなたへの愛だけがあればいいのだと気付いたのです!』
(えっと…?まさか…アクティーと同じパターン?今さらマリア王女と仲良く?ムリムリムリ…!怖すぎる。)
『何を言ってるの?私たちにあんなに酷いことしたあなたを、アランが愛する訳ないじゃない!どういう神経してたら、そんな発想ができるのよ!?』
『それは、あなただけには言われたくありません!
依頼を受けた暗殺者が、アランに尽くすために、依頼も、組織も、さらには仕事の誇りさえ捨てたんでしょう?
同じように、王女であることも、聖女であることも、全て捨て、アランに尽くそうとしている私を愚弄するのは間違えてるのではなくて?
私が、2人を傷つけたのは確かです。
でも、あの時点ではお互いに殺し合うように敵対していたのです。そして、2人は私の立場を殺そうとして、逆に捕まった。
即、殺されるのが当たり前の中、生き残ることが出来たのも、ある意味私が2人で遊ぶ趣味を持っていたからではなくて?感謝しろとまで言えませんが、そこを強く非難するのも、また間違えてるとは思わなくて?』
(さすが王女だ。言ってることは無茶苦茶な気もするが、妙に説得力があるな…実際にアクティーは言い返す言葉を失っているようだ。)
『俺は、正直、自分が傷つけられた分はマリア王女を許せます。傷も回復してもらえましたしね。
しかし、アクティーの胸に関しては許せません。同じ女性として、おっぱいを失うことがどんなに辛いことか、俺なんかよりよっぽど分かるんじゃないですか?
だから、どんなに理屈を並べられてもあなたを許せそうにありません。』
マリアは、それを聞き、何故か嬉しそうに言う。
『それを聞いて安心しました。つまり、その女の胸を元通りに、戻せば許して貰えると約束したも同義です。』
『欠損した身体も戻せるのですか?』
俺は驚き尋ねるしかなかった。
『私は聖女のジョブを持つ者。そして、ずっと公務でも趣味でも回復魔法を使い続けたのです。ジョブレベルも高く、欠損した身体も戻す魔法も習得してます。
出来ることなら、かなり上位の回復魔法になるので、集中できるよう、拘束から解いて貰いたいのですが…』
俺は無言で、マリアを解放する。アクティーは、マリアの服の中にあったナイフを警戒して構えている。
『回復してあげるのに、ナイフを向けられたら近づけないわ。』
その言葉でアクティーは、構えるのは止めるが、ナイフを離すことはない。
『まあ、いいわ!ゆっくり近づくわね…』
マリアは、アクティーに近づくと、右手をアクティーの無くなった左胸にかざし、回復魔法を唱えた。
『エクストラヒール!』
眩しい、優しい光に包まれアクティーの胸はみるみるうちに元のキレイな形へ戻っていった。
『アクティー、良かった…本当に良かったな!?』
俺が泣きながら言うと、
『何で、私よりもアランが先に泣くのよ?私が泣き損なっちゃったじゃない…』
『ごめん…でも嬉しかったんだ。』
『これで、許して貰えたわよね?アクティーも、アランが許してくれたんだから、過去のことはもういいわよね?
それじゃ、ここを出る前に2人の服と武器を返すことにしましょうか?私もいい加減服を着たいですし、体の洗浄をしましょう!
クリーン!』
マリアは魔法を唱えると、汚物などで色々と汚れていた、自身の体をあっという間に綺麗にしてしまう。
(なんて、便利な魔法なんだ…)
『…そういえば、マリア王女は魔法を使うとき詠唱をしないんですね?』
『聖女のジョブはレベルが上がると、「詠唱省略」というスキルを覚えるの。魔法名だけで魔法が発動するようになりますわ。』
『賢者のジョブとそこは同じなんですね?流石は、同じ伝説級のジョブですね!』
『何を言ってますの?私の身体も心も、今日より貴方のために存在しますの。
私のスキルや能力も、既に貴方の能力と言っても等しいものですわ。いつでも、ご利用頂いて構いませんわ…』
マリアは顔を赤くして、恥ずかしそうに下を俯いて言ってくる。
(確かにスキルの話だったよな?何か、違う話に切り替わってる風な雰囲気は何なんだ??)
それから俺たちもマリアからクリーンをしてもらい、隣の部屋にあった服を着て、神殿の地下にあるというこの場所から抜け出すのだった。
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