第44話 フェロモン

ナディアとマリンが部屋から出ていった後、アクティーの泣き声だけが部屋には響いていた。


『アランのバカ…バカ…』

アクティーは、アランの愚かな選択を嘆くことしか出来なかった。


愛する人が、自分のために地獄に残ってくれたのだ。嬉しくないわけがない…しかし、それでも助かる見込みがあまりにも低く、アランの言うように奇跡でも起きなければ助かる見込みがないのだ。



そんな時、アランが嘘のような発言をしてきた。


『もしかしたら、何とかなるかもしれない…


さっきの2人とのキスで、レベルが上がって新しいスキルを覚えた!ちょっとヤバすぎるスキルを覚えたみたいだ。


上手くいくかは、スキルのテストも出来ないし、スキルの効果次第なうえ、ぶっつけ本番の運の要素もあるが、……って内容のスキルだ。』


『そのスキルが本当なら、何とかなる可能性も出てくるわね…おそらくチャンスは油断してる1度限りね。』



翌日、マリアは昨日と同じように何の気負いもなく、再び部屋を訪れた。


(よしっ!また、油断してたった1人でやって来てくれた。いくら、俺たちが完全に縛られているとはいえ、王女が連日、油断し過ぎだ!


絶対に後悔させてやる…)



俺が、昨日の恨みを込めて見ていると、

『元気になったみたいね?昨日の餌が効いたのかしら?』

マリアは、上品にニッコリと微笑んだ。



『お陰さまで。流石に人の肉は初体験でした…出来れば二度と味わいたくはないですけどね。。今でも思い出すだけで、吐き気が甦ってきます…』


『それは、お代わりの催促かしら?もう1つあるみたいだし、今日も味あわせてあげるわよ!?


…それとも、逆がいいかしら?

そのぶら下がってるモノをあの女に食べさせるのも楽しいかもしれないわね?』



(うお!想像するだけで、辛くなってくる…)



『どちらも勘弁願いたい…1つだけ聞かせて下さい。

ハリー王子と仲良く協力していく気はないのですか?』


マリアは心底嫌そうな顔で、


『なぜ、私があんなクソガキの面倒をみないといけないの!?母親が正妻ってだけの理由で、無能のガキの癖に、私よりも上の立場にいるなんて許せるわけないでしょ?


さっさと死ねばいいのよ!』



『分かりました…もう話しても無駄のようです。


フェロモン!』



俺は、新たに覚えたスキルを放った。


『!?何をし…ああ、欲しい…今すぐ私を抱きなさい!』


マリアは俺のスキルに掛かったのか、自らの服を慌てて脱ぎ捨て、裸になる。俺の後ろから抱きつき、先ほど自らが言っていた、ぶら下がってるモノをまさぐってくる。


『あーこれが欲しい!これが欲しい!これを私に頂戴!』

狂ったように俺のモノを求めるだけのメスと化したマリアが存在した。


目の前では、アクティーまでも、

『アラン!抱いて!!抱いてっ!抱いてー!!!』

と狂ったように求めている。


このスキルは、今までのスキルの中でも絶技と並び非常に危険なスキルだった。



フェロモン

このスキルを使うと、1時間異性があなたを認識すると、性的な対象として狂ったように求め出し、他のことは考えれなくなる。効果終了後、10時間は利用できない。



俺はマリアに言う。

『マリアを抱くのに、この拘束が邪魔です。外してくれるかな?そうしたら、いっぱいマリアを抱けるのに…』


今のマリアには効果覿面だった!すぐに拘束を外し、自由になった俺を押し倒し、上に乗り掛かってきた。俺は押し退けようとするのだが、丸1日半おかしな格好で固定されていたため体の自由が全く効かない。まるで錆びたロボットだ。


先ほどから、ずっとマリアにまさぐられて、立っていた俺のモノの上にマリアは乗っかってくる。


『痛っ!…でも、もっとしたい!もっと欲しい!』

痛そうだが、やはり狂ったように求めてくるマリアのあそこは、血で濡れていた。


『初めてだったのか…こんな形で初めてを奪ってしまったのは、申し訳なかったな…せめて痛いのはかわいそうだ。。絶技!』


それから30分…電気で打たれたように、俺の上でイキ狂うマリアは、もはや聖女の面影は欠片たりとも存在していなかった。


悦びの涙を流し、鼻水とヨダレは流しっぱなしの緩んだ顔。イキ潮を吹きまくり、快感の余り、オシッコどころか、大きい方まで撒き散らしながら痙攣を繰り返していた。


30分経過し、絶技が切れた瞬間、何か不思議な力で前に押し倒されたかのように、力の抜け、白目をむいた物体がそこにはあった。



俺は、その30分である程度の体の自由は取り戻せたようで、起き上がり、念のため完全に気絶したマリアを、自分が繋がれていた拘束具に縛り付けた。



そして、もう1人の狂ってしまっているアクティーを自由に解放してあげる。俺の時と同じで、体の自由が効かないのか上手く起き上がることも出来ないようだ。


それでも、アクティーは、這ってでも俺を求め続けるのだ。これも、俺のスキルの影響もあるのも分かっていたが、俺自身も、アクティーを愛しく感じており、さらに先ほどマリアの中では、どうしてもいきたくなかったので、全く動かずに我慢をしていたこともあり、俺はアクティーを抱いた。


あの捕まる前の優しいセックスとは違い、お互いを狂ったように求め合う獣のセックスだった…俺たちは、何度も求め合い、お互いを感じあった!



『途中から、スキルの効果切れてただろう?』


『アランが求めてくれてるのに、私が途中で止めるなんてあるわけないじゃない!最高に幸せだったわ♪』



【ジョブレベルがあがりました】


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