第4話 新しい先生(ニックネーム)

拝啓、親愛なる、なおへ


この前ぶり、直人です。

ははっ、今更だよな

我ながら、『拝啓、親愛なる』とか

似合わないとおもうわw。


前の手紙は、暗い話ばかりで終わっちゃったから

今回は、3年生からの、話しをするよw


3年生の、クラス替えは、特別なクラス替えだったそうだよ

問題が発覚したあの先生に代わり

学校に、来た先生は

すごく優しく、フレンドリーな先生だった。


おふくろから聞いた話だと

その時のクラス員は、完全に元のクラスとは関連無くなるよう

虐めの被害者と

一切虐めにたずさわっていなかった生徒で構成されたらしい。

そして、来た先生も、養護学校からの特別配属だったらしい。


いや、とにかく変わった先生だったけど

ひだまりのように暖かくて

大人の癖に、子供っぽくて

心の中が丸見えな

ひだまりを閉じ込めた水晶玉のような先生だった。


出来たら、なおと一緒に受けたかったな。


3年生になって数日後、こんな事があった。


クラス替え後の、気まずい雰囲気に

クラスみんなが、戸惑い、浸っているある日


朝、教室に行くと、机に見慣れないシールが・・・

前のクラスでは、机に落書きされた事はあったけど

それが全員の机に・・・


俺の席には「もっか」

隣の女の子の席には、「サッチモ」

他にも、「おんだっち」やら、「キムタン」

可愛らしい手書き文字で書いてあるのであった。


ガラッと先生が教室に、

水晶玉に、いたずらっ子の踊る虹色を浮べながら

『おはよっ!』って入ってきた。


「あのね、やっぱり仲良しが良いなぁと思うんだ!」

「でねでね、先生はみんなにニックネームを付けて見ましたw」

「それから〜♪、このクラスでは、ニックネームか、

ちゃん、さん、くんで呼び合うことに決めたの!」


満面の笑みで、誇らしげに頑張ったポーズしてる先生に

みんなが、あっけにとられてると


隣の、幸田 萌花(さちた もえか)さんが

「先生!」

先生は、手もとの出席簿にチラッと目を向けると

「はいっ、サッチモさん」

呼ばれたサッチモさんがw、モジモジしてるのを見ると

「あ、いきなりで、ゴメンね、でも何でも聞いてね」


すると、「先生の事は、なんて・・・?」


すると、先生は、初めて気がついたように

頭真っ白になったようで

大人の癖に、丸見えの???????な表情で

しばらく考えると、

なんか、急に

サッチモのハニカミが映ったかのように

モジモジと、

「じゃぁ、センセのことは、葉っぱ先生って・・・」

あ、いい遅れたけど、先生の名前は、岸本葉子先生って言うんだけど

なんか、リアルニックネームみたいだった。


翌日には、みんなのよりも小さなシールが教卓に・・・・

『葉っぱ先生』ってw


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