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巨大な
すでに国境を三つも超えた。たとえタルサメシアが〝知る力〟を使わずとも、すでに黒い腕の魔力を感知できる距離にいる。
隠れもせずに突き進むタルサメシアの魔力に、あの黒い腕も気付いているだろう。
三つの魔力が向かってくることに気づき、タルサメシアは中空に立ち止まる。
タルサメシアの前に現れたのは、三体の天使だった。
以前に戦ったコロナと同じように、天使たちは
兜により表情は読み取れないが、天使達はタルサメシアに向かってランスを向けている。
「遊んでやっても良いが、お主たちなど足止めにもならんぞ?」
タルサメシアがニヤリと笑うと、天使の一人が口を開いた。
「王は今後にかかわる重要な戦の渦中にいらっしゃいます。お待ちいただきたい」
こうしている間にも逃げ
その中心で、笑い声を上げながら村人を処刑していく少女がいる。
「あれが戦とは笑わせる。あれはただの
「それも違うよ」
天使とタルサの間に黒い
「
歳はまだ十歳前後。ろくな食事も与えられていなかった少女の頬はこけ、ボロ布を
少女は移動用の魔術でここまで転移してきたらしい。
町の中心からここまで時差なく移動できるらしいが、魔力の無駄じゃな。
「――罪は
少女の腕がタルサメシアへ喋りかけてきている。
少女の右腕は黒く染まり、その腕には口が無数に生えていた。
「あの街の者が、どのような罪を犯したというのじゃ?」
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