63
ニヤリと笑うタルサを見て、久しぶりに命の恩人のことが思い浮かぶ。
つまり、私は彼のお陰で魔法使いになれたということか。
「それじゃ、タルサにもそういう経験があるの?」
「いや、
「こちら、モンブランと紅茶のセットになります」
店員さんが私たちのテーブルにモンブランを置き、紅茶を注いでくれる。
紅茶の匂いというのは、どうしてこれほど心を
「くっくっく」
私を見て、タルサが楽しそうに笑っていた。
「お主様は本当に分かりやすいのぅ?」
「……だって美味しそうなんだもん」
どうしてもモンブランに目移りしてしまう私を見て、タルサはうなずく。
「じゃが、お主様の言葉にも一理ある。コイツをやっつけることの方が先決じゃ!」
何気なく話したそれが、タルサにとって大切なことだなんて私は知らなかったし、タルサもそれを伝える気は無くなったらしい。
もっと話し合えていたら、なんて考えてしまうのは欲張りすぎだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます