第5話

もう外は茜色になっていた。

やっぱり今日もまた、怠惰な日常だった。


何となく遣る瀬無い気持ちになって、僕は外へと当てもなく駆け出した。


雨上がりの匂いを吸い込みながら、スマホを片手に夕闇を彷徨う。


こんなことしても何も意味は無いのに。


ただただ僕は、無意味を追い続けた。

正確には、追い続けたというより追い縋っていた。


君にも無意味にも愛されないのかもしれない。


淡い月が見え始めた空を呆然と見つめた。

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