あおいさんを連れて

 おまけ


 あおいさんととある公園に行くと、仔ねこ達が出迎える。


「あっ、かわいい!」

「そっ、そうだね、かわいいね!」


 少し意外だった。いつもは自分が1番という考えのあおいさんが小動物をかわいがるなんて! だからつい、目を丸くしてしまう。


「何よ。そんなに珍しい?」

「ああっ、あおいさんが仔ねこを抱くなんて意外だなって思っちゃったんだ!」


 面と向かって言うと、あおいさんは顔を赤くして怒る。俺はようやくやばいことを言ってしまったことに気付いて、慌てて目を逸らす。


「たしかに少女趣味はないけど、私だって、かわいいものは好きよ!」

「うん。そうだよね。意外なんて言って、ごめんなさい」


 俺は手を合わせて詫びる。その仕草が面白かったのか、あおいさんは俺をからかうようにして言う。


「鱒くん。私と仔ねこ、どっちがかわいい?」

「そっ、それはもう、あおい様に決まっております!」

「そう。じゃあ、頭撫でて、お腹摩って!」


 あおいさんの怒りを鎮めたい一心で、言われた通りにする。頭を撫でているときは良かったけど、お腹を摩ろうとしたときにあおいさんの鉄拳制裁を受ける。頬は腫れ、同時に何かに目覚めた気がする。Mっ気だ。けど3日目に腫れが引くと、同時に何かも引く。

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