光龍様の野望?

 お出かけというと、海や山へ行くかと思ったけど、光龍様の要望はもっと素。氏子区域を練り歩くだけ。光龍大社は永らく神輿を出していないんだ。予算の都合だから仕方がないんだけど。いつも篭りっきりの光龍様。退屈に思うのは無理もない。


(おぉーお! あれは何なのじゃ)

(ケバブという、トルコの食べ物です)


(華美な装束は好かんが、あの集団は別格なのじゃ)

(あー、あれはアイドルさんですよ)


(少女がビラを撒いておるのじゃ。もらうのじゃ)

(えっ、嫌ですよ。メイドカフェのビラなんて、恥ずかしい)


 ビラの受け取りを拒んだ埋め合わせに立ち寄った雑居ビルの6階。メイド服のウェイトレスが出迎えてくれる。紅茶がついて1200円のカツカレーを食べる。会計の時にポイントカードを作るか聞かれ、光龍様が欲しいと言うので、作ってもらうことにする。光龍様って、意外に節約家なのかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る