マグヌム・オプス ~思い付きで剣聖が大魔導師と弟子を育てたらこんなのができました~
鎧 兜
プロローグ 師匠 と 老師
それは、とある森の中にある
そこにいるのは二人の老人。
一人は、剣聖クロウ。
一人は、大魔導師ロヴァル。
共に不世出と
何故そんな二人がこんな場所で隠れて酒を飲んでいるのか?
それは、共に名が知れ渡り過ぎていて、弟子に志願する者、一手教授願う者、一目でも良いからお会いしたいと
二人は、共に幾度も死線を潜り抜けた戦友であり、気の置けない無二の親友。こうして酒を酌み交わすのはこの時が初めてではなく、定期的に弟子達の目を盗んで抜け出しては、昔話や愚痴、とりとめのない世間話に二本の枯れ木が花を咲かせていた。
その日の話題は、お互いの引退時期について。
生涯現役だ、と笑う剣聖に対して、今すぐにでも引退して静かに本を読みながら余生を過ごしたい、と本心を
それを聞いた剣聖は束の間思案し、うむ、と一つ頷いてから、大魔導師に、以前どこかで、時空系統の転位魔法を修めた者は空間の認識が常人とは異なる、という話を聞いて思い付き、それから密かに温めていた提案をした。
――最後に二人で共に弟子を、武において一つの極みと言える心眼、それを超える空間認識能力を備えた武芸者を育ててみないか、と。
大魔導師は、豊かな
それからというもの、隠れ家で酒を酌み交わしながらする話は、候補者をどう選ぶか、どこで育てるか、どう育てていくか……と弟子育成に関する事ばかり。
そして、ついに周囲の大反対を押し切って引退を宣言した剣聖と大魔導師は、一人の男の赤ん坊と共に歴史の表舞台から姿を消した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます