第23話 空に向かって叫ぶんだ!

 カチャカチャカチャ…ッターン!

俺がエンターキーを叩いた、その瞬間。

俺の体は光に包まれた。

「え…っ?なにこれ」

「あれ…月形さん、どこに行くんですか?」


 次の瞬間、俺は王宮の広間に居た。

「よくぞ参った、異世界の勇者よ!」

「ん…?どこスかここは」

体のサイズ感がおかしい。小学生くらいの体のようだ。


「お前は、この世界を救うためにここへ呼ばれたのじゃ!」

王様の宣言…どうやら俺は、異世界から召喚されたようだ。

が…オート設定のチートもスキルも発動しない。

また封印系か…それに何だか様子もおかしい。


「お前には、超時空機甲テンセイザーを操るチカラがあるのじゃ!」

「テン…セイザーだと…?」

何が何やら分からぬ内に、俺は仲間として呼ばれた、武骨な剣士、半獣半人な忍者、天然クリクリ目の少女と共に旅立った。


「来たぞ、魔空機甲だ!」

「こっちも超時空機甲を呼ぶんだ!」

「さあ、ツキガタ!」

「えっ、えぇ~」

「空に向かって叫ぶんだ!」

「テ、テーンセーイザー!!」


 中に描かれる光の魔法陣。

その中からゆっくりと現れる俺専用ロボ。

仲間のロボも召喚されて出現し始めている。

「いや、あの、これって…?」

敵のロボは、こっちの出現シークエンスの間、待ってくれていた。


 幾度かの戦闘の後、俺達はピンチに陥った。

と思ったら俺達のロボはパワーアップして少しスマートになった。


 その後も敵幹部の出現により、またピンチになった。

と思ったら俺たちのロボは合体した。


 もう、これ以上のテコ入れは無いだろう。

と思ったら敵のロボが合体するようになった。


 ついにラスボスが姿を現した。

俺達のロボは、覚醒して黄金色に光った。


 そして、俺は帰還を許され、この世界へと戻ってきた。


 えっなにこれ90年代?

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