第6話 ここは、どこですかあ?
「これで…この世界にも、平和が…」
魔術学園での落ちこぼれだった俺は、ひょんな事から世界最強の力を手にし、アレやコレやとうまい事世界を救った。
チートを与えられなかったのが残念といえば残念だが、得られた魔力はこれまでで最大だ。
それに、いつであっても異世界を救う英雄になるのは気分が良いものだ。
余談だが、ハーレム人数も中々だった。
「これは…この光は…?」
俺の体が光に包まれる。
帰還の光だ。
主要な登場人物が勢ぞろいするタイプのサムいエピローグを終え、俺は現実に帰還した。
「ゆーしゃさま、ここは、どこですかあ?」
ファッ?!
「ゆーしゃさま?」
なんて事だ。俺の帰還に合わせ、マスコットポジションであった金髪ロリもついてきてしまった。
「お前、なぜこの世界に…?!」
「お、なんだ月形君~。連れ帰るなら金髪ロリじゃなくて銀髪エルフにしてよぉ~」
ハゲ課長め、のんきな事を言いやがって。
「あら~可愛い金髪ロリ~。あめちゃん食べる?」
「異世界帰りですか~?超可愛いー!」
今はお局様とモブ子Aが面倒を見てくれているものの、さてこれはどうしたものか。
帰還したばかりだが、仕方ない。
家に連れ帰る訳にもいかないし、こうなればもう一度異世界転生だ。
「さ、いくよ!」
「ゆーしゃさま、どこにいくの~?」
「いいかい?あそこに見えるのが、トラックっていうんだよ?」
「あい!」
「さあ、俺と一緒に。手をつないで、せえ、の!」
神と名乗るヒゲ老人は、俺の連れた金髪ロリを見て困惑した。
俺は今までに手に入れた各種チートや幻惑魔法や魔力強化をフルに使い、金髪ロリに盛りだくさんのチートを付与させ、ランクもSSRに変更させることに成功した。
「さ、後はちゃっちゃと世界救うよ!」
「はい、ゆうしゃさま~」
世界はあっという間に救われたが、最後に金髪ロリを連れて帰る訳にはいかない。
「仲間たちも居る。地位と名誉もある。領地も税収も手に入れた。後は、この世界で生きていくんだぞ?」
「わかりました、ゆうしゃさまあ~」
既に聖女の生まれ変わりとして崇め奉られている金髪ロリは、元気に答えた。
この世界なら、きっとうまくやっていけるだろう。
二つの世界を股にかけ共に冒険した金髪ロリとの別れは寂しいものがあったが、これで問題は片付いた。
やれやれ…後は帰ってエクセルに打ち込もう。
「お、なんだ月形君~、こんな遅くまで。悪いけど先に帰るから施錠頼むよ~」
「かしこまりました。お疲れ様です」
まさかの予定外異世界残業だ。これだからサラリーマンってやつは。
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