平成最後の贈り物

勝利だギューちゃん

第1話

「やあ、元気?」

また、この展開ですか・・・

「またって、何よ」

「何でもない、ただの妄言だ」

「ならいいけど・・・」

いや、よくないと思うが・・・


「で、今日は何の用だ?」

「ご挨拶ね、せっかく会いに来てあげたのに」

少女は、ふてくされる。

そぶりだけだが・・・


「もうじき、平成も終わるね」

「ああ」

「もうすぐ、令和だね」

「ああ」

「平成はどうだった?」

「ああ」

「昭和は楽しかった?」

「ああ」

「昭和、生まれてたの?」

「ああ」

「君いくつ?」

「ああ」

少女は、怒りだした。


「聞いてないでしょ?」

「悪い、考え事してた」

「君でも、考えるんだ」

「どういう意味だ?」

「だって、君は極楽とんぼだし」

それは、言い過ぎだ。


俺だって、傷つくハートを持っているんだ。

これだから、女ってのは・・・


「で、結局何の用だ?」

「あっ、そうそう君に渡す物があった」

少女は、ポケットに手を入れる。


大事に物なら、バックに入れておけよ。


「それほど、大事じゃないから」

「あっ、そう・・・」

こいつは、俺を何だと思ってる。


(それほどは・・・ね・・・)

少女のその言葉は、耳に届かなかった。


「はい、これ?」

これは・・・ストラップ?


「そう、私のミニフィギュアのついた、ストラップ。

私と思って、大事にしてね。じぁあ」


行ってしまった。


「しかし、よく出来てるな、これ・・・」

よく見ると、タグがついていた。


そこには、こう書かれていた。

「I LOVE YOU FOR EVER]


しゃれか、本気が、どっちだ?

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平成最後の贈り物 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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