一一四.ヤマトのツジツマ・ガミラス人の体質(前)

 第一作の中だけでも矛盾しており、第二作以降で忘れられ、2199でも今一つ筋が通った説明にならず、2202では新たな矛盾をはらんだ設定…それはガミラス人の体質。


 第一作では、最終回になって放射能ガス(まあガス性の放射性物質が多く含まれた大気ってことなのでしょう)の中でしか生きていけない、それ以外の大気中ではマスクをする必要がある、と語られていました。

 これが、地球に遊星爆弾を落として攻撃した理由であろうと、私も納得しかけたのですが。ガミラス人捕虜のエピソードでは、普通に地球の大気中で生きていましたね。

 そしてさらば以降、ガミラス人が地球人やガトランティス人と、マスクも使わずに同じ空間で会話するようなシーンばかりとなり、実質的にこの設定は消えました。


 2199では放射能という設定も消え、遊星爆弾で散布された植物がまき散らす有毒物質による汚染に変わってしまいました。しかも当初使われていたガミラスフォーミングという言葉は、いつしかうやむやになりました。ガミラス人のメルダはが普通にヤマト艦内で生存し、雪が拉致されて普通にガミラス星で生きている時点で、遊星爆弾による毒がガミラス星の環境、という設定が成り立たなくなったためでしょう。なんか、第一作と同じ道をたどったような……。


 2202ではそれに対するフォローを試みたのか、『ガミラス星の環境は特殊であり、ガミラス人は他の惑星では長くは生きられない』という設定が生まれました。

 長くは、というのがどれくらいなのかは不明ですが、2199でガミラス人の他の惑星への移民、移住が描写されている以上、一年、二年ではないでしょう。

 逆に言うとそれ程度の差であれば、遊星爆弾が地球のガミラス式環境への改造を試みたもの、と考えるのは難しい。

 またその環境が極めて特殊で、ガミラス星崩壊までに移住先を見つけなければならない、という趣旨のセリフがあったと記憶していますが、であればその環境を遊星爆弾などで作り出す事は出来ないのでしょう。


 結局ここでも矛盾は解消しないのですが、こればかりは(珍しく)つじつま合わせを投げ出してしまった2199スタッフの方により大きな責任があると思うので、これ以上は申しません。なんといっても2205へと話は続きますので、そこで新たなる解決策が提示されるかもしれませんから。

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